クルマを運転する上で欠かせないのが給油ですが、どのタイミングでするのが良いのでしょうか。

給油タイミングは地方で異なる?

 普段から人によって給油のタイミングや仕方は様々です。では、ベストな給油のタイミングはいつなのでしょうか。

 まず、ドライバーは実際にどういったタイミングで給油をしているのでしょうか。

 JAF(日本自動車連盟)が行ったアンケートによると、給油タイミングで最も多かったのは「4分の3減少したタイミング」で約34%でした。

「半分」は約22%、「3分の2」は約17%で、合わせて70%以上の人が半分から4分の3ほど燃料を消費したタイミングで給油していることが分かります。

 また、4分の1や3分の1減ったタイミングで給油する人は合わせて約9%で、こまめに給油する人もいます。

 反対に、燃料警告灯がついてから給油する人は11.7%おり、ギリギリまで粘る人も一定数いることが分かりました。

 給油のタイミングは、人だけではなく地域によっても異なります。

 北海道から東北にかけては燃料が半分まで減ったら給油する人が多く、東北よりも南の地域は4分の3減少したタイミングで給油する人が多いという結果が出ています。

 これは、東日本大震災の経験や豪雪などの影響があります。自然災害が一度発生すると、燃料が不足したり渋滞が発生したりして給油しにくくなることがあります。これらの経験からこまめに給油する人が多いのかもしれません。

1回あたりの給油量は?

 給油は、そのタイミング以外に、1回でどれだけ入れるか、という選択肢もあります。

 基本的な給油量は「満タン」もしくは「容量・金額指定」ですが、どちらもメリットとデメリットがあります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 満タン給油のメリットは、給油回数を減らせることです。1回の給油量が多くなるため、次の給油までの時間が長くなります。

 デメリットは、クルマが燃料で重くなってしまい燃費が悪くなることです。とはいえ、その差は微々たるものであり、軽自動車などは燃料タンク容量が小さいことから、大きなデメリットとはいえません。

 こまめな給油のメリットは、燃料の価格変動の影響を受けにくいことです。価格は日々変動しており、高いときに満タン給油してしまうと損をします。こまめな給油だと、価格変動のリスクを抑えられるでしょう。

 デメリットは、給油の回数が増えてしまうことです。ガソリンスタンドが普段の走行ルートにあれば手間がかかるだけですが、給油が離れた場所だとそこへ往復する分の燃料を消費することになります。

「ガス欠になったらJAFなどを呼べば良い」と考えている人もいるかもしれません。しかし一般道ではともかく、高速道路では問題です。

 高速道路でガス欠を起こすと「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」となり、違反点数2点、普通車で反則金9000円が科される可能性があります。赤信号無視と同等の重大な違反です。

 また、ガス欠は違反だけではなくクルマにもダメージを与える可能性のあるトラブルです。

 ガソリンには油分が含まれていますが、その油分は燃料タンクからインジェクターにガソリンを送るフューエルポンプのモーターの潤滑や冷却に利用されています。

 ガス欠になると、フューエルポンプのモーターが油分なしで回転するため、摩擦や摩耗によって故障する可能性があります。また、ガソリンが循環するパイプラインが空になることで、セルモーターやバッテリーにも負担が掛かってしまいます。

 給油のベストタイミングは、生活環境や地域、季節などによって異なります。

 豪雪などによってガソリンスタンドが休止したり、大渋滞で給油できなかったりと、トラブルが発生して思うように給油できない場合もあります。使用環境やその時の状況に合わせて、柔軟に給油しましょう。