1980年代から2000年代に登場した日本車は世界中で今もなお人気が高いです。その人気を象徴するようなクルマたちが「SEMAショー2023」に展示されました。

ド派手カスタムカーが勢ぞろいな場所とは

 オデッセイ顔のシルビアや白黒パンダトレノ、そして1500馬力超えのピックアップトラックなど様々なクルマが展示されたイベントがありました。
 
 そのイベントとはどのようなモノで、どんなクルマがあったのでしょうか。

 アメリカ・ラスベガスで毎年11月に開催される、世界最大級のアフターマーケットパーツの見本市「SEMAショー」。
 
 アメリカは日産「スカイラインGT-R(BNR32)」が輸入解禁となった2014年前後から徐々に日本の旧車人気が高まっており、1980年-1990年代に日本で販売された日産「スカイラインGT-R(BNR32/BCNR33/BNR34)」や「シルビア(S13/S14/S15)、トヨタ「スープラ(A80)」、ホンダ「シビック」などが人気となっています。

 2023年10月31日から11月3日まで開かれた今回のSEMAショーでも昨今の日本車人気の影響で日本製のネオクラシックカーや旧車も多く展示されました。

 SEMAショーはSEMA(Specialty Equipment Market Association、米国自動車用品工業会)が1967年より主催している見本市です。

 クルマのカスタムやエンジンのチューニングだけでなく、タイヤやホイール、塗装、リペア用品、カーケア用品、カーラッピング、電装品、工具、整備用品など、さまざまな「アフターマーケット」の会社・ブランドがこのショーに集まります。

 このような中、いわゆる「25年ルール」(製造から25年以上経過すれば米国保安基準FMVSSの対象外となり輸入解禁となる)でアメリカに入ってきた日本製スポーツカーや、それよりも古い世代の旧車の出展が多く見受けられるようになっています。

 純粋なレストアから、レストアついでにカスタムも施す「レストモッド」、さらにはその上をいく大胆なエンジンスワップなど、そのカスタムジャンルは多種多様です。

 このように、日本発祥の自動車文化はアメリカをはじめとする多くの国で大きな注目を浴びているのです。

 今回のSEMAショーではどのような日本車が展示されていたのでしょうか。

 まず、会場入り口すぐ外にはひときわ異彩を放つ日産「スカイライン(ER34)」が展示されていました。

 1949年創業のエアサスペンションメーカー「エアリフト・カンパニー」が招待して展示されたこのモデルは1999年式の「スカイライン GT-T(ER34)」をベースとしています。

 エアリフトのエアサスペンションにワークのMEISTER L1、そしてピンクとグリーンのフレークを混ぜたパールホワイトの外装色が目をひきます。

 そして1番の驚きなのはエンジンがホンダのK型エンジンにスワップされていることです。

 このビルドを手がけたランディ・チュオン氏は「GT-R用RB26DETTエンジンのスワップは一般的なので、それとは違ったことがやりたかった」とのこと。

 排気量2.4リッターとなるK24エンジンのブロックに、ホンダ「シビック」や「インテグラタイプR」に搭載されるK20エンジンのヘッドを組み合わせられていますが、K型エンジンが縦置きで搭載されている様子はなんとも新鮮です。

 ターボにはギャレット製G30を採用、その他さまざまなチューニングを施して最高出力661 hp、最大トルク480 lb-ftを誇る仕様となっています。

 次に日本のチューニングパーツメーカー「OS技研」はトヨタ「GR86(ZN8)」とトヨタ「スプリンタートレノ(AE86)」の2台を展示しました。

 そのうち、AE86はアメリカのドリフト競技シリーズ「フォーミュラD」に長年参戦してきたタカ・アオノ氏がプライベートで乗っている車両です。

 アオノ氏のAE86は外観こそクリーンにまとめられており、ノーマル+α程度のカスタムにとどめられていますがカーボン製ボンネットをひらけば、エンジンルームには「4.7AG」エンジンが鎮座しています。(通常のAE86には4A-GE型1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載)。

 そして4A-GEエンジンへの有名なチューニングメニューのひとつとして、7A-FEエンジンのシリンダーブロックを組み合わせ、1.8リッターへ排気量を拡大させた「7A-G」というものが存在します。

 この「4.7AG」は7A-FEエンジンのブロックを使用しつつも排気量を1.6リッターに抑えたキットで、高出力と耐久性を兼ね備えたメニューとなります。

 最高出力は185 hp、回転数は1万1000回転まで達するとのことで、そのエンジン音は耳栓をしないと運転できないほどの「快音」だそうです。

 3つ目はイギリスのブレーキ会社「EBCブレークス」のブース。

 ここには、イギリスから持ち込まれた1973年式のトヨタ「カローラ(KE25)」が展示されていました。

 通常のKE25は3Kエンジンを搭載していますが、このビルドではAE86などでお馴染みの4A-GEエンジンへ載せ替えられています。

 製作期間は9か月、1500時間以上の時間と25万ドル(邦貨換算:約3786万円)の費用を費やして完成、イギリスからSEMAショーのためにアメリカへ持ち込まれたという1台です。

オデッセイ顔!? 謎のシルビアも発見! どんなクルマ?

 また注目を浴びるのはスポーツカーだけではありません。

 エンジンオイルや添加剤を手がける「アムズオイル」では2JZ-GTE型3リッター直列6気筒エンジンに換装された1991年式のトヨタ「ハイラックス」がお披露目されました。

 エンジンはクランクからロッド、カムなどすべてに手が加わっており、ギャレット製G45-1500と組み合わせたことで最高出力は1300 hpに達する仕様とのこと。

 また、トランスミッションには6速シーケンシャルトランスミッションを搭載しています。

 エクステリアは米国トヨタが開発したマシンでお馴染みとなる「赤・橙・黄」の3色デザインが施されており、とても目を引くビルドでした。

 最後に会場内にはホンダ「オデッセイ(RB1)」のヘッドライトをシルビア(S13)などに移植した「オデビア」も展示されていました。

 ベースとなるのは右ハンドルのシルビアコンバーチブルで、外装は派手なラメ入りのピンクカラーをまとっています。

 エンジンルームにはイチから組み直したマツダの13Bロータリーエンジンを搭載していると言います。

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 今回紹介したカスタムカーは、SEMAショーが誇るエキゾチックさのほんの一部でしかありません。

 これ以外にもクルマ・エンジンの国籍を問わない、多種多様なカスタムカーやチューニングカーがSEMAショーではお披露目されています。