運転歴の浅い初心者や運転が苦手な人は、運転しやすいクルマに乗りたいと思うでしょう。では、いま人気の「軽スーパーハイトワゴン」は運転しやすいといえるのでしょうか。

背が高い「軽スーパーハイトワゴン」のメリット・デメリットとは

 運転歴の浅い初心者や運転が苦手な人にとって、クルマは運転がしやすいほうが良いでしょう。
 
 そんななか、現在人気となっているのが「軽スーパーハイトワゴン」と呼ばれるジャンルですが、ぱっと見は大きく感じるものの、サイズ的にはもちろん「軽規格」に収まり、街中での取り回しもしやすく、タイヤが四隅にあるため車両間隔が掴みやすいと評判も上々です。
 
 初心者にとって、軽スーパーハイトワゴンは本当に運転しやすいのでしょうか。

 まずは軽スーパーハイトワゴンがどれだけ売れているかを確認してみます。

 全国軽自動車協会連合会が公表した、2023年(2023年1月〜12月)の軽自動車版「新車販売台数ランキング」では、トップはホンダ「N-BOX」(23万1385台)、2位はダイハツ「タント」(15万9392台)、3位はスズキ「スペーシア」(12万2275台)でした。

 登録車のトップはトヨタ「ヤリス」(19万4364台)とN-BOXに次いで販売台数が多いのですが、これはハッチバックやSUVなどヤリスシリーズを合算したもの。軽スーパーハイトワゴンがいかに売れているかがわかります。

 軽スーパーハイトワゴンが人気となっている理由はさまざまありますが、「軽自動車ならではの総コスト(車両価格&維持費)の安さ」と「クルマそのもののデキが良い」ことが挙げられるしょう。

 車両価格や維持費が安いのが軽自動車の魅力ですが、小排気量(660cc)による燃費の良さも支持される理由のひとつ。

 背が高くて車内を広く使え、スライドドアを装着することで軽スーパーハイトワゴンの利便性が高いのはもちろん、タイヤを四隅に配置することで車両感覚も掴みやすいというメリットも人気に拍車をかけています。

 一方で、背の高さによるデメリットもあるようです。よく言われるのが、横風の影響を受けやすいという点。特に高速道路などでは風の影響を受けやすく、走行が若干フラフラしてしまったり、突風などでハンドルが取られることもあります。

 また、ルーフが高くなったことで重量物が高い位置にあり、コーナリングなどでは遠心力の影響も受けやすいという声もあるなど、スピードが出ている状態では曲がりにくい特性もあるようです。

 このあたりは、横幅にも制限がある軽自動車ならではの特性が縦横比(全長に対するトレッドの狭さ)によって強調されてしまっているようです。

 ただし、これは頭上に空間を確保したことによるトレードオフのようなもの。スーパーハイトワゴンに合った乗り方をすれば、メリットのほうが増えると思われます。

初めてのマイカーに軽スーパーハイトワゴンを選んだ人の意見は?

 初めてのマイカーとして軽スーパーハイトワゴンを選ばれたオーナーに話を聞いてみました。

 間もなく大学を卒業して就職する予定のKさん(20代女性)は、すでに内定をもらい勤務先も確定しているそうです。その勤務先が地方のため、通勤用に軽スーパーハイトワゴンを選択しました。

 クルマには多種多様なジャンルがありますが、なぜ軽スーパーハイトワゴンを選択したのでしょうか。

「免許を取得して数年経ちますが、学生だったこともあって移動はもっぱら公共交通機関でした。なので、運転に苦手意識があり、あまり経験を積んできませんでした。

 ただ内定している勤務先が市街地から遠くて公共交通機関で通うには限界があり、軽自動車なら維持していけそうだと思い、今のクルマを選びました」

 Kさんいわく、軽スーパーハイトワゴンというジャンルとして特別に意識していなかったものの、「1台で荷物も人も乗せることができる広さ」と「維持費の安さ」、そして自分の好みで選択したのが、軽スーパーハイトワゴンだったといいます。

 では、Kさんにとって軽スーパーハイトワゴンの運転はどう感じるのでしょうか。

「私のような初心者にとって、一番難しいのが車両感覚を掴むことだと思います。以前、父親のクルマ(普通車)を借りたとき、車両感覚が掴めなくてミラーを何度も擦ってしまったのですが、軽自動車なら横幅が広くないですし、窓も大きいので、すれ違いでも恐怖心が薄れました。

 前が見えにくいように感じるのですが(注:軽スーパーハイトワゴンはノーズ部分が短いうえにストンと落ちているケースが多い)、それ以外は視界も良くなった気がします」(軽スーパーハイトワゴンオーナーのKさん)

 ちなみに、普段はほとんど高速道路にも乗らず、市街地走行がメインのため速度も出ていないため、コーナリングなどで怖い思いはしたことがないそうです。

「今後、山道のようなところを走るときは気をつけなければいけないのでしょうが、今のところ市街地では全く普通に運転できています。

 商業施設の駐車場も停めやすいですし、ハイブリッド車ではないものの、燃費も悪い印象はありません。

 普通車よりも圧迫感がないので、より落ち着いて運転できています。初心者にも運転しやすいと思います」(軽スーパーハイトワゴンオーナーのKさん)

 使い方にもよりますが、市街地走行がメインで適度な荷物と人を乗せるだけなら軽スーパーハイトワゴンは運転しやすいようです。

 Kさんも愛車に満足しており、次もできれば軽スーパーハイトワゴンを選びたいと話してくれました。

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 よく軽スーパーハイトワゴンは「運転がしにくい」「コーナリングが…」「死角が多い」などの意見も聞かれますが、これは乗り慣れた人からの意見かもしれません。

 確かにコーナリングは安全にも関わることなので重要ですが、その前に十分減速すれば曲がれますし、よほど狭い道や人通りが多くなければ死角もあまり気にしなくて済みそうです。

 さまざまな用途に1台で対応するクルマが欲しいなら、軽スーパーハイトワゴンはオススメだといえそうです。