クレジットカードが無くても作れる「ETCパーソナルカード」とはどのようなものなのでしょうか。また現在起きている問題とは、どのようなものなのでしょうか。

ETCパーソナルカードはどんな仕組み?

 有料道路を通行する際にはクレジットカードと紐づいたETCカードを利用する人が多いです。
 
 実はクレジットカードと紐づいていないでも使えるものがあると言いますが、どのようなカードなのでしょうか。

 有料道路では多くのクルマがETCを利用しています。

 国土交通省が公表している「ETCの利用状況」によると、2023年11月時点のETC利用台数は1日あたり約842万台に上り、利用率は全体の94.6%を占めています。

 ETCによる通行料金の支払いには、クレジットカードと紐づいたETCカードを使用するのが一般的ですが、実はクレジットカードを契約していなくても作成できる「ETCパーソナルカード(通称:パソカ)」で通行料金を支払うことも可能です。

 ドライバーの中にはETCパーソナルカードを知らない人も少なくありませんが、一体どのようなカードなのでしょうか。

 簡単に言うと、ETCパーソナルカードはETCカードの1種です。

 ETCカードには「クレジットカード会社が発行するカード」と「ETCコーポレートカード」、そして「ETCパーソナルカード」の3種類があります。

 クレジットカード会社が発行するカードは、原則クレジットカード(親カード)に付帯して発行されるもので、発行手数料や年会費などが会社によって異なります。

 また、ETCコーポレートカードは大口で多頻度の割引制度を利用する場合のカードであり、NEXCO東日本・中日本・西日本が発行・貸与しています。

 その一方、ETCパーソナルカードはNEXCO東日本・中日本・西日本、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社という6つの道路会社が共同して発行するカードで、クレジットカードを契約していないドライバーでも使用できるのが特徴です。

 ETCパーソナルカードの発行に際しては、クレジットカードのように返済能力の信用度を確認する与信審査はありませんが、その代わり一定のデポジット(保証金)を預ける必要があります。

 具体的には有料道路の月平均利用額が2500円ならデポジット額は1万円というように、月平均利用額の4倍の料金がデポジット額となります。

 なお、あくまでデポジットはカード発行にあたっての保証金であり、通行料金はユーザーの登録した金融機関口座から1か月単位で引き落としされます。

 また未決済残高がデポジット額を超えると利用停止になり、ETCゲートのバーが開かなくなるため、その点は注意が必要といえるでしょう。

 このようにETCパーソナルカードはクレジットカードを持っていない人でも作成できることから、クレジットカードの審査に通りにくい職業・収入の人などにとって申込みしやすいといえます。

 しかしこのカードの利用をめぐっては、現在暴力団幹部が道路会社6社と国を相手取り訴訟を起こす事態となっています。

 原告は2023年2月、暴力団関係者であることを理由にETCパーソナルカードの利用停止と会員資格の取り消しを受けており、これを「不合理な差別」として憲法違反に当たると主張しています。

 一方で被告側の6社は、料金所のサポートレーンを利用すればパーソナルカードを持っていない人でも通過できること、暴力団員は組員の意思で脱退できることなどを理由に違法ではないと反論しています。

 このニュースに関してSNS上では「これは使えなくても仕方ない」「暴力団をやめれば良いのでは?」など道路会社の意見に賛同する声が多数寄せられました。

 以前はカードの利用規約に暴力団関係者への交付を明確に禁止する規定はありませんでしたが、2023年3月以降はカードの利用申込みを拒絶する条件として「暴力団、暴力団関係企業・団体、社会運動等標榜ゴロ等若しくはこれらの構成員・関係者、又はその他反社会的勢力であること」を明記しています。

 そのほか、申込者が未成年(利用申込時に16歳以上で親権者の同意がある者を除く)であったり、通行料金の支払いを不法に免れたことがあったりするとカードの申込みを断られる可能性があります。

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 クレジットカード不要で利用できるETCパーソナルカードはクレジットカードの作れない未成年者や審査に通りにくい人にとってありがたいカードといえます。

 暴力団関係者のパーソナルカード利用に関しては現在係争中であり、裁判の行方に注目が集まっています。