東京オートサロンや大阪オートメッセに数多くのカスタムカーを展示してきた日産京都自動車大学校。その実態とはどのようなものなのでしょうか。

新型エルグランドを予感させるカスタムカーで話題の日産京都校とは

 日産は将来の整備士を育てる「自動車大学校」を全国に5校展開しています。
 
 整備士不足が叫ばれるなかで、自動車大学校ではどのような取り組みをしているのでしょうか。

 トヨタやホンダ、そして日産は整備士を育てる学校を持っています。

 そのなかで日産では栃木、神奈川、愛知、京都、愛媛に日産・自動車大学校を展開しており、5校をあわせた在学生は約1700人。

 これまでの卒業生は約3万人だと言い、その多くが日産販売会社へ就職しています。

 そのなかで京都校は5校で1番規模が大きく、唯一カスタマイズ科を持っており、最近では東京オートサロンや大阪オートメッセに出展していることでも有名です。

 京都校は、4年制の一級自動車工学科、自動車整備・カスタマイズ科。3年制の自動車整備・ボディリペア科、国際オートメカニック科。2年制の自動車整備科という多彩なコースを設定。

 一方で世の中では昨今「整備士不足」が叫ばれており、年々入学希望者の数が減りつつあるようです。

 そうした中で京都校では留学生に入学してもらう施策を行っており、一時期はコロナ禍で留学生自体の入国が少なかったようですが、直近ではそれなりな入学数がある状態だと言います。

 留学生の国籍は多岐に渡り、最近ではバングラデシュ、ベトナム、ネパールなどが多いといい自国の自動車産業が発展途上で日本で学ぶことを目的とした人が多いようです。

 また留学生の多くも前述のように卒業後は多くが日産販売会社に就職するといい、このようなカタチで整備士不足に対する施策を行っています。

 在学生は自動車整備士などの国家資格に加えて、日産社内の資格も取得することが可能なほか、BEV(電気自動車)の受講もあり今後の電動化時代でもすぐに対応出来るカリキュラムを持っています。

 そのほか人材育成プログラムとして、「スーパーGT」や「スーパー耐久」に学生をメカニックとして参加させることで、本格的なメカニックとしての経験を積むことが出来るようです。

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 そんな様々な特徴を持つ京都校ですが、学生達の技術力を磨く学生フォーミュラにも参戦しています。

 世界中で行われている学生フォーミュラには、エンジン車と電気自動車のカテゴリが存在。その中で京都校は電気自動車カテゴリに参戦しています。

 日産から「リーフ」のモーターやインバーターなどを譲り受け、イチからEVフォーミュラを製作。なおマシンは毎年、ドライバーの体型や英語のレギュレーションに合わせて作り直しています。

 難しい部分について担当する学生は「学生フォーミュラは速さはもちろんですが、車両コストなども重要です。難しい部分はモーターなどの制御を行う回路の製作が難しいですと話しています。

 英語で書かれたレギュレーションを読み解き、イチからフレーム構造のボディ、パワーユニットの製作などを行うなど、高い技術力が必要なことに取り組んでいるのも京都校の特徴と言えます。

京都校と言えば…カスタマイズカー? どんなのがある?

 京都校は元々、日産の工場跡地を活用しており、実習棟はかつての倉庫を使っています。

 実習棟には約150台の日産車が並んでおり、「マーチ(K12)」や「フェアレディZ(Z33)」はほぼすべてのボディカラーが見られました。

 さらには東京オートサロン2022に展示された「The Fairlady Z Customized Proto」や、トランクがカーボン製となる世界で1台の「GT-R(R35)」、低走行距離の「スカイラインGT-R(BNR34)」なども置かれています。

 その他、2018年に広島で水害にあった「2代目フェアレディZ(S130Z)」を復活させるプロジェクトなども行われていました。

 また最近の京都校は、東京オートサロンや大阪オートメッセで展示されるカスタムカーを製作するカスタマイズ科が有名です。

 カスタマイズ科では、イタルデザイン風の「マーチ(K13)」やハコスカ顔の「ラシーン(NB14)」、「マーチカブリオレ(K11)」をベースにした「ダットサン・フェアレディ」、「ムラーノ(Z51)」をベースした「シーマSUV」や「フェアレディSUV」などを製作してきました。

 実習棟には、フェアレディSUVやダットサン・フェアレディなどが実習車の合間に置かれています。

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 昨今は、整備士不足の影響でどの自動車大学校も入学希望数が減りつつあります。

 それぞれの学校存続に加えて、日本の自動車産業においても重要な問題です。

 そのなかで、日本人のみならず留学生の姿も多かった日産京都校は、他にはない個性を持っていました。

 また2月中旬には学生達が八丈島で島民の愛車を無料点検するというこれまでに類を見ない取り組みも行うなど、今後の整備士業界活性化に繋がる動きも見せています。