マツダはロータリーエンジンの開発を加速させると発表していますが、新たなスポーツモデルの登場にも期待されます。登場するのであれば、どのようなモデルになるのでしょうか。

マツダ「ロータリーエンジン」 新時代の起爆剤になるか

 マツダは2024年2月1日に、新時代に適合したロータリーエンジン(RE)の研究開発を加速させると発表しました。
 
 すでに「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」が新たなRE搭載モデルとして販売されていますが、新たにスポーツモデルの投入にも大きな期待が寄せられています。

 REは1967年に登場したスポーツクーペ「コスモスポーツ」に初めて搭載されたエンジンです。

 おにぎりのような形状を持つ「ローター」を回転させることで動力を発生させる仕組みで、小型かつ軽量であり、高出力や高い静粛性、構造がシンプルという特徴があります。

 一方で、実用化は非常に難しく、唯一成功したのがマツダ(当時は東洋工業)でした。以来、スポーツモデル「サバンナ」や上級モデル「カペラ」「ルーチェ」に加えて「ファミリア」などの一般的なモデルにも搭載されました。

 国産スポーツカーの代表的モデル「RX-7」にも搭載されたほか、耐久レースを代表するル・マン24時間レースでは、1991年にRE搭載の「787B」が日本勢初優勝を飾るなど、その性能や技術が評価されてきました。

 一方、2012年6月に4ドアスポーツカー「RX-8」の生産が終了。REの生産も停止していました。

 そうしたなか、2023年1月にはコンパクトSUV「MX-30」のプラグインハイブリッドモデル「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」が世界初公開。発電用としてREが搭載され、11年ぶりに生産を再開します。

 日本や欧州での展開が開始となり、こうして市場にRE車が復活を果たしたのです。

 さらに、2023年10月に開催された第1回「ジャパンモビリティショー2023」ではロータリーエンジンを搭載する2ドアスポーツカーのコンセプトモデル「ICONIC SP(アイコニックSP)」が世界初公開されました。

 マツダによれば、アイコニックSPは「企業理念である『前向きに今日を生きる人の輪を広げる』を具現化し、人々の中にある『クルマが好き』という気持ちに応えた未来の提案」だとしています。

 最大の特徴はパワートレインで、マツダ独自のRE技術を用いたプラグインハイブリッドシステム「2ローターRotary-EVシステム」を搭載し、最大出力370馬力を発揮。

 大容量のバッテリーを搭載しつつも、車両重量を1450kgに抑え、前後重量配分も理想とされる50:50に近づけることで、高い走行性能を実現しています。

 ボディサイズは全長4180mm×全幅1850mm×全高1150mm、ホイールベース2590mmとコンパクトなサイズを持ちます。

 デザインはマツダ車共通の最新デザイン「魂動デザイン」を採用しつつも、往年の名車の意匠が随所に取り入れられました。

 特にフロントはRX-7や初代「ロードスター」(ユーノスロードスター・NA型)などのようなリトラクタブル式を装備したほか、ボディサイドはグラマラスなラインやドア周辺部の処理が、3代目RX-7(FD3S型)を想起させるクラシカルな仕上がりです。

 ジャパンモビリティショー2023での初公開時は、名車の面影を残すデザインやRE搭載という点で多くのスポーツカーファンからの注目を浴び、一部では「RX-7の再来」「ロータリースポーツカーの復活」などと大きな話題になりました。

 その後、名古屋、大阪、福岡、札幌で開催された各モビリティショーにおいても登場するなど存在感を高めています。

 そして、2024年1月開催のカスタムカーショー「東京オートサロン2024」において、マツダの代表取締役社長兼CEOの毛籠 勝弘氏は報道発表の場で、以下のように話しています。

「アイコニックSPに対し、極めて大きな反響、そして熱烈な声をいただき、我々も感激しました。

 そこでなんとか(市販化を)実現できるように、まずロータリー開発部門のスタートを切りました。

 これはまだまだ解決しなければならない技術的な課題があり、ハードルも物凄く高いです。

 しかしマツダが得意とするあくなき挑戦精神で立ち向かってみようと、現在社内の奮起を期待しているところです」

 アイコニックSPの市販化を目指しているとする説明に加え、2月1日付けでマツダ社内のパワートレイン開発本部パワートレイン技術開発部に「RE開発グループ」が復活。

 発電機用エンジンとしてREの継続的な進化が明言されるとともに、アイコニックSPの登場についても、ますます期待したいところです。