厚生労働省は29日、新型コロナウイルス禍で雇用を維持するため企業に支払っている雇用調整助成金の支給決定額が、2020年春からの累計で6兆55億円になったと明らかにした。財源となる雇用保険財政は逼迫。厚労省は特例で引き上げていた助成金の上限額を、10月から縮小する方針だ。

 助成金は、企業が支払う従業員の休業手当を国が部分的に補填する制度。コロナ禍を踏まえ、上限額引き上げなどの特例を設けた。特例は失業者急増を抑制する効果があった一方、成長が見込まれる産業への転職を妨げているとの指摘もある。厚労省は特例の縮小をさらに進めるなどし、雇用保険財政の安定化を図る。