農林水産省が3日発表した2022年の農林水産物・食品の輸出額は前年比14.3%増の1兆4148億円となり、10年連続で過去最高を更新した。政府は円安の追い風を最大限生かし、25年に2兆円とする目標の前倒し達成を目指す。東京電力福島第1原発事故後に各国で広がった日本産食品への輸入規制の早期撤廃が課題となりそうだ。

 22年は新型コロナウイルス禍で落ち込んだ外食需要の回復や歴史的な円安を背景に、農産物、水産物、林産物の輸出額がいずれも過去最高となった。一方、輸入額も膨らみ、貿易収支は10兆円規模の赤字となり、食料を海外に依存する日本の現状が鮮明になっている。