トヨタ自動車は22日、23年春闘の第1回労使協議会を愛知県豊田市の本社で開き、賃上げや年間一時金(ボーナス)の要求に満額回答した。満額回答は3年連続。労組は物価高を踏まえ、1人平均の賃上げ要求額が過去20年で最高水準だと説明している。早期に賃金が決着するのは2年連続。今後の交渉は産業の魅力向上などのテーマに集中する。

 関係者によると、4月に社長に就任する佐藤恒治執行役員が要求通りとする回答を伝えたという。年間一時金は6.7カ月分を求めていた。日本を代表する企業のトヨタが賃上げに積極的な姿勢を示したことで、取引先を含む雇用者全体の処遇改善を後押しする波及効果が期待される。