【北京共同】半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音会長は6日、台湾の新竹市内で開いた株主総会後に記者会見し、日本で検討中の2カ所目の工場について「土地はまだ取得段階だが、場所は(第1工場を建設中の)熊本県だ」と明らかにした。台湾の中央通信社が報じた。

 日本政府がTSMCの投資を望んでいると強調。「多くの顧客がTSMCの生産能力が不足していると感じている」と指摘した。別の台湾メディアによると、会長は「(第2工場建設の)計画は日本政府と交渉中だ」と述べたという。

 米中対立を背景にTSMCは生産拠点の分散化を進めており、ドイツでの工場建設も検討している。

 株主総会では、魏哲家最高経営責任者(CEO)が「日本政府の大きな支えがあり、製造能力を高める」と発言。劉会長は次世代半導体の生産を目指す日本の新会社「Rapidus(ラピダス)」について「共に日本の半導体の研究開発能力を向上させることを望む」と述べた。ラピダスは北海道千歳市で工場の建設を予定している。