小説「蟹工船」を書いたプロレタリア文学作家小林多喜二をしのぶ多喜二祭が、命日の20日、出身地の秋田県大館市で行われ、地元の人々が「生誕の地碑」の前に集い、社会の不平等とペンで闘った多喜二の精神に思いをはせた。今年で生誕から120年。
地元住民や市関係者ら約30人が参列し、JR下川沿駅前に立つ碑に花を手向けた。「小林多喜二生誕の地碑保存会」の松坂敏悦会長(73)は昨年の命日の4日後、ロシアのウクライナ侵攻が始まったことに触れ「多喜二が死んで一番嘆き苦しんだのは母親。戦争で人の命を取っていくのはあってはならないことだ」と話した。