全国的に多い鈴木姓の発祥の地として知られる和歌山県海南市で、老朽化していた「鈴木屋敷」の復元工事が完了し30日、竣工式が行われた。国史跡の一部の藤白神社境内にある屋敷に、全国各地の鈴木さんや関係者ら約50人が集まり、満開の桜の下で完成を祝った。
関東地方を拠点に鈴木姓の歴史について勉強会などを行う「関東藤白鈴木会」会長の鈴木久元さん(85)は「全国に約185万人いる鈴木さんの故郷がよみがえった。鈴木姓でない人にも訪れてほしい」と喜んだ。
地元有志らによると、平安時代末期に熊野の豪族鈴木氏が藤白神社境内に屋敷を構え、一族が全国に熊野信仰を広める過程で鈴木姓が広まったとされる。