三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件を巡り、72年6月に死刑判決が確定してから半世紀が過ぎた。再審請求は第10次まで及び、名古屋高裁は今年3月、89歳で獄中死した奥西勝元死刑囚の再審開始を認めない決定をした。特別抗告した鈴木泉弁護団長は16日までに、共同通信の取材に応じ「最高裁で開始決定を得る。これが最後の機会だ」と決意を語った。

 弁護団は、ぶどう酒の瓶とふたをつなぐ封かん紙から、市販ののり成分が専門家の鑑定で検出されたとして「真犯人が毒物混入後、封かん紙を貼り直した」と主張。だが、高裁は科学的根拠を持たないとして退けた。