旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強いられたとして、熊本県の2人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は23日、旧法は差別的な思想に基づき憲法違反と判断し、国に計2200万円の支払いを命じた。一連の訴訟で、昨年の大阪、東京両高裁に続く賠償命令となり、地裁としては初めて。被害救済の議論が加速しそうだ。
判決は手術の目的や手段に正当性、合理性がないとして、国の賠償義務を認めた上で、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する民法の「除斥期間」を適用しなかった。
中辻雄一朗裁判長は判決理由で、旧法が「極めて強烈な人権侵害を行った」と指摘した。