1999年、女子大生の猪野詩織さん=当時(21)=が殺害された埼玉・桶川ストーカー事件で、猪野さんの両親が県に損害賠償を求めた民事訴訟の記録をさいたま地裁が廃棄していたことが2日、地裁への取材で分かった。廃棄は2012年2月で「保存期間が終了したため」としている。

 最高裁は通常の民事裁判の記録を原則5年保存とする一方、史料的価値の高いものや社会の耳目を集めた事件は、その後も事実上の永久保存に当たる「特別保存」の措置を取るよう求めている。地裁によると、桶川事件は対象となっていなかった。判決文は保管されているという。