旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、宮城県の60〜70代の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁(石栗正子裁判長)は1日、賠償請求を退けた一審仙台地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。

 判決は、不法行為から20年経過時点で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用した。

 各地の同種訴訟で高裁判決は5件目。昨年2月の大阪高裁判決以降、国に賠償を命じる判決が4件続いていた。

 原告の1人は20年以上、被害を訴え、全国で訴訟が起きる契機をつくった飯塚淳子さん=70代、仮名。原告側弁護団は「これまで積み上げてきた勝訴の流れを無視し、被害に向き合っていない判決だ。当然、速やかに上告する」と話した。

 一連の訴訟で全国初の判断となった2019年5月の仙台地裁判決は旧法を違憲と認めたが、除斥期間の適用について「法律関係を速やかに確定させることの重要性から画一的に定められ、合理的だ」と判断し、賠償請求を退けた。