オウム真理教の松本智津夫元死刑囚=執行時(63)、教祖名麻原彰晃=の刑が2018年7月に執行される直前、収容先の東京拘置所が文書を作成し、元死刑囚に精神疾患の所見は認められず、医師の問診に応じない状況について詐病の可能性があると言及していたことが31日、分かった。

 文書は、元死刑囚の子どもが21年、「心神喪失だったのに執行したのは違法」として国に損害賠償を求め起こした東京地裁の訴訟で国側が証拠として提出。刑事訴訟法は死刑囚が心神喪失状態の場合、法相の命令で執行を停止すると定めている。文書は国が執行可能と判断した理由がうかがえる内容となっている。

 訴訟記録によると、拘置所は18年7月6日の執行前の同6月28日、法務省から元死刑囚の診療状況などの照会を受け翌29日に文書で回答。拘置所は精神科医による診療状況を時系列で説明した。