心と体の性が一致しない性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する場合、生殖能力をなくすことを要件としている特例法の規定が憲法に反するかどうかが争われた家事審判で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は27日、弁論を開いて申立人側の意見を聴いた。年内にも決定を出し、憲法判断を示す見通し。要件は2019年に最高裁が「現時点で合憲」と判断しており、その後の社会情勢などをどう考慮するかが焦点となる。

 04年に施行された性同一性障害特例法は、性別変更の要件の一つとして「生殖腺がないこと、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」を規定。事実上手術を要する内容の是非が議論になっている。

 大法廷の弁論では、申立人の代理人が「自身の性別の在り方が尊重されることは、憲法により全ての個人に保障される基本的人権だ」と指摘。特例法が性同一性障害者の人権回復のために制定された趣旨に照らし「(申立人が)自分の性別で安心して生きることができるような判断を心からお願いします」と求めた。