米国の武力行使を日本が支持した2003年のイラク戦争を巡り、当時官房長官を務めていた福田康夫氏が19日までに共同通信のインタビューに応じ、開戦の大義だった大量破壊兵器が見つからなかったことに「残念でならない」と強調。安保法制が成立し米軍との一体化が強まる中、誤った情報に基づいて戦争が始まるリスクに「米国の情報は圧倒的だが、それだけに頼ってはいけない時があるというのが教訓だ」と反省も口にした。

 イラク戦争は03年3月20日、ドイツやフランスなどが反対、国連決議がないまま米国主導で始まった。福田氏は、イラク戦争に加わった英国から開戦直前に「日本が早く開戦支持を表明してほしい」と依頼があったと明かし「英国も苦悩していたのだと思う」と振り返った。

 日本は、開戦に踏み切った米国との同盟を重視する小泉純一郎首相(当時)が支持を表明。復興支援として自衛隊を派遣したが、イラクでテロが相次ぎ「戦地」への派遣ではないか、との議論になった。

 福田氏は日本の開戦支持に「当時の判断としてはやむを得なかった」との立場を改めて明言、日米同盟が緊密化した重要性を訴えた。イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を隠しているとの米国情報を「覆すだけの情報を日本が持っていなかった」と語った。

 大量破壊兵器が確認されず、虚偽の情報だったことが判明した際には「一体あの情報は何だったのか。間違った情報で大国が動いたというのは残念でならない」と語った。

 英国は、政権や情報機関幹部らへのインタビューなどを基に「不必要な戦争だった」と結論付ける検証報告を集約し全文を公表。日本は外務省が、首相や外相らへの聞き取りをせずに、やむを得ないとする検証報告書をまとめた。福田氏は「日本も本格的な検証をする必要があり、自分も聞き取りに応じる用意がある」と語った。

 テロが頻発、違憲論議もあった中での自衛隊派遣には「想定の情勢が変わりひやひやした時もあったが、犠牲者が出ず幸いだった」「あくまで人道支援」と正当性を主張した。