岸田文雄首相は8日、韓国訪問を終え、政府専用機で帰国した。19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で再び尹錫悦大統領と個別に会談し、首脳外交をてこに日韓新時代の構築を急ぐ。経済安全保障分野で米国を加えた3カ国の協力を推進し、覇権主義的な行動が目立つ中国をけん制する狙い。

 日韓間では過去の植民地支配に起因する対立が関係を冷え込ませる要因となっている。両首脳は7日の会談で、そうした過去から脱却し、形式にとらわれず頻繁に意思疎通を図ることを確認した。サミットに続き、9月にインドで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた会談も模索する。