防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案が24日、参院本会議で審議入りした。法案は財源の一つとなる税外収入を複数年度にわたり防衛費に充てられるよう「防衛力強化資金」を創設するのが柱。与党が今国会での成立を目指す一方、野党各党は法案に反対している。6月21日の会期末まで1カ月を切り、衆院に続き参院でも論戦激化が予想される。

 鈴木俊一財務相が法案の趣旨を説明し「わが国の防衛力の抜本的な強化や安定的な防衛力の維持に充てる」と述べた。出席した岸田文雄首相は、財源確保のため政府が計画する増税について「今を生きるわれわれの将来世代への責任として協力をお願いしたい」と求めた。自民党の北村経夫氏の質問に対する答弁。

 政府は所得税額に防衛財源のための付加税を上乗せする分、東日本大震災の復興特別所得税を引き下げ、課税期間を延長する計画。鈴木氏は期間延長で「将来世代に負担をいただくことになる」としつつも「経済成長と構造的な賃上げの好循環を実現し、税制措置の負担感を払拭できるよう努力する」と述べた。