岸田文雄首相は、年内の衆院解散・総選挙を見送る意向を固めた。新たな経済対策の財源を裏付ける2023年度補正予算案を10日に閣議決定する予定で、成立と実行を優先させると判断した。内閣支持率が低迷する状況を踏まえ、政権立て直しを図る。政権幹部が9日、明らかにした。

 首相は9日、年内の解散見送りについて官邸で記者団に問われ「まずは経済対策、先送りできない課題に一意専心取り組む。それ以外のことは考えていない」と述べた。

 2日に閣議決定した経済対策は、物価高の支援策として所得税・住民税の1人計4万円の定額減税や、低所得世帯向け給付を盛り込んだ。ただ、3〜5日の共同通信世論調査では経済対策を「評価しない」が62.5%に上っていた。

 内閣支持率は28.3%で、12年の自民党政権復帰後、初めて30%を割り込んだ。9月の内閣改造で就任した山田太郎文部科学政務官が女性問題で、柿沢未途法務副大臣が公選法違反事件への関与で先月それぞれ辞任。政権運営には厳しさが増している。