岸田文雄首相は19日未明、APEC首脳会議など米国での外交日程を終え、羽田空港に帰国した。20日から経済対策の裏付けとなる2023年度補正予算案の国会審議に臨む。所得税と住民税の定額減税や低所得世帯への給付について理解を求めるなど物価高対策に全力を注ぎ、月内の成立を図る。不祥事で政務三役の辞任が続き、揺らぐ政権の立て直しが課題だ。

 首相は「デフレからの完全脱却」を掲げ、賃上げと減税を2本柱に据える。サンフランシスコで開いた記者会見で、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力を強化すると表明。「デフレ脱却の千載一遇のチャンスをつかみ取り、物価上昇を上回る持続的な賃上げに政府一丸で取り組む」と強調した。

 補正予算案には所得税と住民税が非課税の低所得世帯に各7万円を給付する費用1兆592億円を計上した。成立後、速やかに手続きを進め、年内の給付開始を目指す。

 一方で政権を取り巻く環境は厳しさを増している。共同通信が11月3〜5日に実施した世論調査で、内閣支持率は28.3%と過去最低を更新した。