ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で1年。第2次大戦後の欧州で最大の戦争を始めたプーチン、占領された領土の奪還を目指すウクライナのゼレンスキーの両大統領とも「勝利」に向け強硬姿勢を維持している。停戦のめどは立たず、ウクライナに武器供与する米欧とロシアの対立は深刻化。戦闘は一層激化する兆しも見える。国連の安全保障理事会常任理事国ロシアの侵略行為は、核兵器保有5大国が世界の安全を保証する大戦後の国際秩序を漂流させた。

 プーチン氏は23日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や長距離爆撃機など「核の3本柱」を増強する決意を示した。21日には、米国との間の核軍縮合意、新戦略兵器削減条約(新START)履行停止を表明。核兵器使用の威嚇を繰り返し、世界は核戦争のリスクに脅かされている。

 ロシアを巡る国際環境の激変は米国と覇権を争う中国、核・ミサイル開発を進める北朝鮮の動向と合わせ、日本の安保外交政策にも大きな影響を与えている。

 国際社会は制裁と報復の応酬で生じたエネルギーや食料価格高騰への対応にも追われている。(共同)