【キーウ共同】ウクライナ全土の広範囲に9日未明から朝にかけ、ロシア軍のミサイルなどによる攻撃が繰り返され、西部リビウ州で5人、東部ドニエプロペトロフスク州で1人が死亡し、各地で停電が発生するなど被害が相次いだ。ロシアによる大規模な波状攻撃は2月中旬以来。
このほか、南部ヘルソンとニコポリへの砲撃で計5人が死亡。9日のウクライナ側の死者は計11人に上った。
南部ザポロジエ原発では攻撃により外部電源が切断され一時、非常用ディーゼル発電機を稼働させる事態に陥ったが、電力会社ウクルエネルゴは9日午後、同原発への外部からの送電が復旧したと明らかにした。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は9日の声明で、同原発の外部電源の度重なる切断について「いつか運が尽きる」と述べ、大事故につながることへの強い危機感を表明した。
ウクライナ軍によると、9日の攻撃はミサイル81発、無人機(ドローン)8機によるもので、ウクライナ側はミサイル34発、ドローン4機を撃墜した。ミサイルのうち6発は極超音速ミサイル「キンジャル」だった。