ウクライナ侵攻に部隊を派遣するロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は5日、ロシア国防省から必要な弾薬の供給を受けられていないと批判し、激戦が続く東部ドネツク州の要衝バフムトから今月10日に部隊を撤退させると表明した。通信アプリにプーチン大統領やショイグ国防相宛ての公開書簡を投稿した。

 合法化されていないワグネルと正規軍との確執が表面化した形。ロシア最大の祝日である9日の対ドイツ戦勝記念日までの制圧が難しくなり、責任の押し付け合いが始まったとみられる。

 受刑者らを募集したワグネルは戦闘長期化で疲弊した正規軍を補完してきた。ワグネルが撤退すれば、バフムトの最終的制圧が不透明になりかねない。ウクライナ軍の大規模反攻が今月中にも始まるとされる中、弾薬不足に悩むロシア側の苦境と焦りが露呈した。(共同)