ロシアのプーチン大統領は10日、米国主導の北大西洋条約機構(NATO)と、旧ソ連や社会主義諸国で構成したワルシャワ条約機構加盟国の間で欧州に配備できる通常兵器の上限を定めた軍縮合意、欧州通常戦力(CFE)条約を破棄する法案を下院に提出した。タス通信が報じた。連邦議会での審議の政府側代表にはリャプコフ外務次官を任命した。

 ウクライナ侵攻を巡る欧米との対立が背景にあるとみられる。CFE条約は米ロとも既に履行を停止しており、ロシアが正式脱退しても大きな情勢の変化はない見込みだが、米ロの軍事的緊張の高まりを象徴するものとなりそうだ。(共同)