【ベルリン共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、ドイツを訪問した。ベルリンでショルツ首相と会談後、共同記者会見し、ロシアへの反攻に向け「不法に占領された領土を奪還する準備をしている。成功を信じている」と述べた。「和平案は自国の提案に基づくべきだ」とし、領土での譲歩はないとの考えを強調した。

 大規模反攻に向け、さらなる武器供与や人道支援の継続を欧州に訴えた。ウクライナ情勢は開幕を控えるG7広島サミットの中心議題となる見通しで、地ならしを図る狙いもある。

 ウクライナとの国境に近いロシア西部では、ウクライナ側の越境攻撃が指摘されている。ゼレンスキー氏はショルツ氏との会見で「ロシアの領土を攻撃するわけではない」と述べ、反攻対象はロシア側支配地域だと強調した。

 ゼレンスキー氏は「ロシアが空域で優位に立っている」とし、欧州に戦闘機の供与を要望。ショルツ氏は「防空分野では既に多くのものを提供した」と述べるにとどめた。ドイツは13日に27億ユーロ(約4千億円)の追加軍事支援を発表している。