人の動きやリズムが意図せず他者と同調するのと同様に、ニホンザルも相手と自然にシンクロさせる傾向があることが分かったと、生理学研究所(愛知県岡崎市)のチームが29日付の米科学アカデミー紀要に発表した。同調に関わる神経のメカニズム解明につながる成果としている。

 複雑な集団や社会を形成し、人に近いとされるニホンザル3匹に自由なリズムでレバーを左右に操作させる実験をした。(1)同じ運動をするサルと向かい合わせる(2)同じ運動をするサルの動画を見せる(3)レバーだけの動画を見せる―の3パターンでそれぞれ約200回行った。

 その結果、サルも運動リズムを同調させていることが判明した。向かい合わせの場合はレバー動画のみ見せた場合の6倍強く同調し、互いに相手をよく見ていた時により同調した。

 また、サルの群れの中の序列と同調のしやすさを調べると、序列の高い個体が相手に合わせる割合が高かった。