江戸時代初期の17世紀前半に北海道を襲ったとされる巨大津波について、新潟大の高清水康博准教授(地質学)らの研究チームが18日までに北海道南部の勇払平野(苫小牧市)に残る痕跡の分布範囲を明らかにした。地中の津波堆積物は現在の海岸線から内陸約2キロにとどまり、内閣府の想定する浸水域を大幅に下回っていた。歴史記録が乏しく発生年や原因など不明点の多い津波だが、高清水氏は「内閣府の想定は過大となっている可能性がある」と指摘する。

 内閣府の有識者会議は2020年4月、苫小牧市では沿岸から最大約10キロ、100平方キロ超の浸水想定を公表。

 調査は19〜22年度に実施。計86地点から最深で約1.5〜2メートルの地層を引き抜き、過去3千年間の堆積物を調べた。17世紀前半の地層からは、津波によって海から運ばれた海洋性の植物プランクトンを発見。コンピューター断層撮影(CT)で分布を追跡したところ、海岸から約2キロ以遠で確認できなくなった。