ロシア大統領府は29日、プーチン大統領が民間軍事会社ワグネルの幹部だったアンドレイ・トロシェフ元司令官と28日にモスクワの大統領府で会談したと発表した。プーチン氏はウクライナ侵攻に参加する義勇兵の組織化を指示。6月に反乱を起こしたワグネル創設者エブゲニー・プリゴジン氏が8月に搭乗機墜落で死亡した後、残るワグネルのメンバーが引き続き侵攻作戦に加わる公算が大きくなった。
ワグネルは約2万5千人の兵員を抱え、反乱前にはウクライナ東部ドネツク州バフムトの攻略などで戦果を上げた。兵員不足に悩むロシア軍の兵力強化になりそうだ。
プーチン氏はエフクロフ国防次官に伴われたトロシェフ氏と会談した。「1年以上義勇兵部隊におり、実情をよく知っているはずだ」と述べて前線での作戦継続を指示。従軍した兵士への社会保障を所属に関係なく実施することも求めた。
トロシェフ氏は「セドイ(白髪)」のコードネームで知られる内務省出身の大佐。プリゴジン氏と一緒に死亡したドミトリー・ウトキン司令官に次ぐ幹部とみられていた。