国立感染症研究所は29日、職員が8月に腸チフスを発症した問題を巡り、感染研の実験室内でチフス菌に感染したと結論づける安全監視委員会の報告書を公表した。職員は20年以上病原体を扱うベテランだといい、報告書は「そのような者が無意識のうちに発症した事実は極めて深刻だ」と指摘した。職員は回復しつつあるが、今も入院中。

 委員会は外部有識者らで構成され、問題発覚後、感染研に立ち入り調査した。

 報告書によると、実験で扱った菌と、職員から検出された菌をゲノム解析したところ、極めて似ていることが判明した。施設が原因の可能性は低く、菌の取り扱いや防護具の着脱、手指消毒などの運用面に問題があったとした。