大津市が、職員への文書厳重注意など懲戒に至らない処分をした際の公文書について、情報公開請求を受けても一切公開していないことが、5日までに分かった。自治体や警察は懲戒処分以外は原則発表しておらず、同種の公開請求で不祥事が発覚することがある。滋賀県や県内の他の全18市町は「内容は公開する」としており、大津市の対応について「全て非公開は過剰で、情報公開に消極的だ」と指摘する専門家もいる。

 大津市の情報公開条例では、公文書の公開請求は誰もが権利を持ち、市には例外を除いて公開義務があると規定されている。

 京都新聞が大津市に、懲戒に満たない職員の処分が分かる公文書の公開請求をしたところ、市は内容を含め全て公開しない決定をした。市側は、市条例が非公開にできると規定する「個人が識別できる」「公正な人事の確保に支障を及ぼす恐れがある」情報にあたると説明した。

 市人事課は「情報公開は市職員も請求でき、内容だけでも公開することで、内部で個人が特定される可能性がある」とする。事案に関係なく、一律に懲戒未満なら非公開にするという。懲戒処分の場合は市が自ら発表していることから、公開請求にも応じる。

 他自治体の判断は異なる。京都新聞の取材に、滋賀県と県内18市町は、懲戒未満の処分文書の公開請求を受けた場合、職員名や所属などの個人情報を伏せた上で事案内容は原則公開する、とした。滋賀県警も公開に応じており、京都市や京都府も同様の対応という。

 滋賀県は「公文書が存在するなら例外はない」とし、栗東市は「個人情報を出さないなら、内容の公開に問題はない」とした。「情報公開への対応に、懲戒かどうかは無関係」(高島市)という意見もあった。

 情報公開に詳しいNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「内部の事情を知りうる市の職員が特定可能かで判断すると、非公開の範囲が広くなり過ぎる。発表されない不祥事が隠される懸念もある。市民への説明責任として、情報公開の公益性を理解すべきだ」と話した。