餅屋の娘、たまこのほのぼのとした日常を描いた人気アニメ「たまこまーけっと」。作品の舞台「うさぎ山商店街」のモデルは、京都市上京区の出町桝形商店街だ。懐かしく、温かな気持ちにさせてくれる街の風情を味わいたいと、足を運ぶファンが後を絶たない。

 同作は京都アニメーション(宇治市)の製作。2013年にテレビ放映され、14年には続編が映画版で公開された。京都文化博物館(同市中京区)の協力を得て同商店街を舞台のモデルに選び、実在する店の内装や外観も忠実に再現した。

 放映から3年以上が経った今も日本全国やアジア、欧州などからファンが訪れる。商店街入り口に置かれた交流ノートには「いつもと変わらない商店街は落ち着きます」「何度来ても癒やされます」といった声があふれている。

 一人でノートを読んでいると、同商店街の井上淳理事長(70)が「どこから来たの?」と声を掛けてくれた。普段からファンとの交流を大切にしているといい、「店主と客の距離が近いのが昔ながらの商店街。着飾らない、ありのままの姿こそファンが喜んでくれる」と笑う。

 「京アニ」と契約して14年からキャラクターTシャツを販売する衣料品店「セルフ岸本屋」の岸本直子さん(53)は、たまこがきっかけで別のアニメも見るようになった、という。ファンと意気投合して話し込むこともあるといい、「世代を超えて感動を共有できる文化って、すごい」と目を輝かせた。