戦時中、滋賀県内で空襲を受けた地域や犠牲者数などの被害状況をまとめた「戦跡マップ」を草津市の男性が作り、大津市中央1丁目のギャラリーQで開催中の「滋賀の戦跡展」で展示している。幼少期、空襲に遭った経験を持つ男性は「戦争は犠牲にならなくていい子どもまで命を落とす」と平和の尊さを訴える。

 中尾弘さん(73)。大阪市此花区出身で、1歳の1945年にあった大阪大空襲で父親を亡くし、母親に背負われて、迫ってくる戦闘機から逃げ延びた。

 滋賀には半世紀前に移り住んだ。戦後、母親から空襲の恐ろしさを聞かされて育った影響で平和への関心は高く、戦争関連の資料に目を通す中、湖国にも多くの戦禍の跡があったことを知った。2011年からは空襲の被害地や軍の施設など約70カ所を地図に記し、独自に県内の被害状況をまとめている。

 今回の戦跡マップはギャラリーQの依頼で作成した。縦90センチ、横180センチ。被害地に加えて、新聞などで発表されている各地の犠牲者数も盛り込み、子どもにも読めるよう漢字にはルビを振った。

 中尾さんは「戦争の証言記録文献を読むと実際の犠牲数はもっと多いはず。当時の日本は犠牲になった人の実数を隠し、今もうやむやのままだ」と話している。

 10日まで。午前10時〜午後4時。無料。