山の日(11日)を前に、京都府警が遭難防止に向けた広報活動を強化している。京都市内の山など3カ所で、登山者を対象にした初の調査を実施し、画像を利用した通報システムもPRした。府内では、低山にもかかわらず、遭難事故や遭難による死者が後を絶たず、特に本年度は例年を上回るぺースで発生している。

■画像通報システムを救助に応用

 「登山歴はどれくらいですか」「スマートフォンを持っていますか」。5日、左京区の大文字山の火床で、府警地域課の警察官と府山岳連盟の会員らが、登山者に声をかけていた。年齢や登山歴、GPS機能が付いたスマホを持っているかなどを調査。登山の注意点や遭難発生状況が書かれたチラシも手渡した。

 この日は、愛宕山へのアクセスが多いJR保津峡駅(右京区)と、東山トレイル上の泉涌寺駐車場(東山区)でも同様の調査を行った。調査結果は防止策に活用する。

 府警によると、昨年度の遭難の発生は15件で、遭難者18人のうち3人が死亡、1人が行方不明。15年度は22件発生、30人が遭難し、4人死亡、1人行方不明だった。本年度は、7日までに21件発生、25人が遭難し2人が死亡しており、昨年をすでに上回った。

 遭難は、登山者が多い愛宕山(924メートル)や大文字山(466メートル)のほか、松尾山(276メートル)や小倉山(296メートル)など低山でも発生しているのが特徴だ。先月末にも小倉山で男性(68)が行方不明になっている。

 原因で最も多いのは道迷い。登山道から外れたと気付いても、引き返さずに何とかなると進んで深みにはまったり、焦って沢に降りてしまうケースが多い。通信圏外でけがをしてしまい、場所が分からず発見が遅れることもある、という。

 これらを受け府警は、携帯電話やスマホで撮影した画像を府警に送信する「犯罪・災害画像通報システム」を救助に応用する取り組みも始めた。通信圏外で登山者がけがなどで動けなくなった場合、同行者や発見者がカメラのGPS機能をオンにして写真を撮り、圏内に移動して画像を送れば、要救助者の位置が瞬時に特定できるという。

 地域課は「圏外で同行者に何かあると焦ってしまうが、このシステムを活用すれば早期に発見できる。多くの登山者に知ってほしい」としている。

 府警は山の日当日にも、京都市南区のイオンモール京都で、午前11時半から啓発イベントを実施する。