チンパンジーもじゃんけんを理解できることを、京都大の松沢哲郎高等研究院特別教授や霊長類研究所大学院生の高潔さんらのグループが実験で確かめた。優劣が循環するような複雑な関係を人間以外でも理解する能力が備わっていることを示す結果で、国際科学誌に10日発表した。

 京大霊長研の7匹のチンパンジー(14〜38歳)に対し、「グー」「チョキ」「パー」のうち2種類をモニター画面で見せて、勝ちの方を触ると報酬の干しぶどうが得られるようにしてじゃんけんを学ばせた。48回で1セットの訓練を平均で約300セット繰り返すと5匹が90%以上、残りの2匹も70%以上の正解率になった。

 「『パー』は『グー』に勝って、『グー』は『チョキ』に勝つ」というような直線的な関係はすぐに理解したが、「『グー』に負ける『チョキ』は『パー』に勝つ」というように循環する関係を学ばせるのに時間がかかったという。

 人間社会は関係が複雑で、時に循環するような優劣関係があるが、チンパンジー社会は厳格で、直線的な優劣しか存在しない。ところがチンパンジーには、じゃんけんの理解を始める人間の4歳程度と同じくらい柔軟な認知能力があることが示されたという。

 松沢特別教授は「チンパンジー以外の動物でもじゃんけんを理解できるか調べたい」と話している。