太陽光発電関連のビジネスを手掛ける企業が、売電価格の低下などで戦略の見直しを迫られている。メガソーラーなど大規模太陽光発電所の建設計画は減少する一方で、発電した電力を外部へ売らずに自宅や工場で使用する「自家消費」が増えるとみられるためだ。京都でも、太陽光発電パネルや関連機器を販売する京セラやエクソル(京都市中京区)などが新たな需要への対応を急いでいる。

 京セラは、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が始まった2012年度以降、メガソーラーなどの産業用や住宅用を中心に太陽光発電パネルの販売を拡大してきた。しかし、中国製の低価格製品との競合激化で15年度に収益が悪化。16年度には三重県の工場設備を東近江市の工場に集約したり、不採算の米国市場での取引を見直したりして構造改革を進めた。

 今後の見通しについて、ソーラーエネルギー事業本部の池田一郎マーケティング事業部長は「買い取り価格が下がれば、電気を売るよりためる方が得になる。自家消費がキーワードになる」と予測。産業向けのパネル供給は続ける一方、使用電力を画面などで確認するホームエネルギー管理システム(HEMS)や蓄電池などと組み合わせた自家消費向けの販売を強化する方針だ。「ガスから電気と温水をつくる燃料電池の自社製品もある。今後はエネルギー全体にビジネスを広げる」と意気込む。

 エクソルも、産業用や住宅用に太陽光発電パネルの販売を拡大してきた。同社経営企画課は「FITを前提としたビジネスは厳しくなるが、新たなチャンスも生まれる」との見方を示す。太陽光発電設備の維持管理費を抑えるニーズが今後高まるとみて、7月には空き地や工場の屋根などに設置する50キロワット未満の低圧太陽光発電設備の保証期間を業界最長の20年間とするサービスを開始した。

 「設計から建設、管理まで総合提案できる強みを生かし、自家消費の分野でも、蓄電池を活用した新たな提案をしていきたい」(経営企画課)とする。

 発電状況の計測や遠隔監視システムを販売するラプラス・システム(伏見区)も、メガソーラーを含む高圧(50キロワット以上)の太陽光発電向けの事業を主力としてきたが、「メガソーラーは新規案件が減っている」(松弘道徳取締役)とする。そこで50キロワット未満の低圧太陽光発電設備向けに力を入れており、昨年秋には価格を3割下げて競争力を高めた。

 また、メガソーラー(千キロワット)より下の500キロワット以下の発電設備では計測システムの導入率が低い上、今年4月には改正FIT法の施行で太陽光発電設備の点検・保守が義務化されたため、「今後伸ばせる余地はある」(同)と着目。周辺機器もパッケージ化して売る戦略で業績を拡大させる考えだ。

■再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度

 電力会社が再エネの電気を決まった価格で全量買い取る制度。東京電力福島第1原発事故を受けて2012年に始まった。太陽光の買い取り価格は当初1キロワット時当たり40円だったが、本年度は21円に下がった。