京阪バス(京都市南区)が2019年度いっぱいで、京都市交通局から受託している市バス運行事業から撤退する方針を固めたことが7日、分かった。運転手や整備士の不足が主な理由で、今後、他社が追随する恐れもある。京阪バスの受託分は市バスの台数ベースで1割近くを占めており、交通局は直営に戻す方向で検討を始めた。人件費負担が重くなる可能性もあり、市バス経営が打撃を受けるのは必至だ。

 交通局は00年度、人件費などのコスト削減を目的に全国で初めて公営バス事業を対象とする「管理の受委託方式」を導入した。現在、市バス全818台のうち半分に当たる406台の運行管理を民間6社に委託している。

 京阪バスは、05年度から九条営業所(南区)に所属する市バスの一部運行と全車両の整備を担う。現在は6系統66台で全体の8%を占める。市交通局と3〜5年で契約を更新している。

 同社によると、運転手らの不足に加え、19年度から市内で自前の循環バスルートを新設するため、撤退を決めた。当初は18年度で撤退する方針だったが、市交通局の慰留を受け、19年度に限って6系統のうち4系統(45台程度)の運行を担うことで合意した。

 運送業界の人手不足は全国的な問題で、市バス事業を受託している他社にも撤退や縮小の動きが広がる可能性がある。

 市バス事業は観光客ら乗客数の増加により、17年度は経常利益22億6900万円を計上するなど15年連続で黒字経営を維持してきたが、直営化すれば経費がかさむ恐れがある。交通局は「何とか市民の足を守れるよう努力したい」としている。