40代になって、若い頃よりヘアスタイルが決まりにくくなったと感じることはありませんか?

エイジング髪アイキャッチ

それは髪のエイジングが原因かもしれません。髪のエイジングの原因や予防のためのヘアケア法などについて、株式会社ミルボンの研究開発部 基礎研究グループの青山日和さんに教えていただきました。

■うねってまとまらないのは頭皮と髪のエイジングのサイン

<p<「​ヒトの体で起こる老化現象の多くは、例えば放っておいた釘が錆びてしまうような『酸化』 と呼ばれる現象によって引き起こされます。これは年齢とともに抗酸化力が落ちていくことが要因です」

「髪や頭皮においても、老化現象の一つとして『カルボニル化』(酸化の一種)の進行が生じます。頭皮のカルボニル化が進むと、頭皮の色が黄色くくすんできます。カルボニル化が進行して黄ぐすんだ頭皮からは、同じくカルボニル化が進行した髪が生えてくることが分かっています」

エイジング髪画像(ヤング&エイジング毛)

「カルボニル化が進行した毛髪を、ミルボンでは『エイジング毛』と呼んでいます。エイジング毛はS字状にうねった独特な形状でまとまりにくく、​さらに、髪のタンパク質も水となじみにくい状態に変化(疎水化)してしまっているため、パサつきやツヤの低下といった大人世代の髪悩みにつながります。この“うねり毛の存在”が髪の老化のサインです」

■トリートメントをもみ込んでエイジング毛をまとまりやすく!

「ケアのポイントは『水分をバランスよく補給すること』です。 毛髪のタンパク質が疎水化して、水分保持力が低下しているので、保湿成分を補給して毛髪の水分保持力を向上させることが重要です」

「その中でも​『ビタミンB6』​はエイジングによって、うねってまとまりが悪い髪に対して特に効果的であることがわかっています」

「シャンプー後にトリートメントを塗布する際、毛先中心に​30秒ほどもみ込んでなじませると、ケア効果がアップしてまとまりやすくなり、うねりも緩和されますよ」

「また、ドライヤーをかける時に、洗い流さないトリートメントをなじませてから乾かすと、まとまり感が 維持されます」

エイジング髪画像(トリートメント)

「頭皮が酸化していることが、うねり毛のそもそもの原因なので、毎日、抗酸化作用のある頭皮用ローションでケアをすると、次第に酸化が進んでいない状態の毛髪が生えてくるようになります」

■年齢を重ねてもツヤ髪をキープしている人の秘密は〇〇だった!?

「下の画像は50代の方の後ろ姿です。ツヤのある美しい髪は、年齢不詳と言っても過言ではないほど美しい状態を保っています」

「ミルボンでは、これまでに延べ1000名以上の女性を対象に、感性的な髪の美しさについての研究を進めてきました。後ろ姿の髪の美しさを『美髪レベル』を指標として8段階で評価したところ、全体としては年齢とともに美髪レベルが低下していく傾向にありました」

エイジング髪画像(ヤング&エイジング毛)

「この方々の髪への意識・行動が現れる100を超えるアンケート項目について、その回答を調査したところ、興味深い結果が出ました」

「例えば、50代で美髪レベルが高い方々は、『美容室への訪問頻度(年間)』が、美髪レベルが低い方々よりも高かった点です。ところが、美容室で1回あたりに使用する金額は、その両者であまり違いがありませんでした」

「つまり、​美容室で1回に多くのお金をかけるよりも、美容室へ足しげく通い、こまめにヘアのメンテナンスをしていることが、美髪レベルを高く維持することに繋がるということが示唆されました」

エイジング髪画像(美容室)

「他の年代においても、例えばヘアカラーの頻度や、最後に髪を切ってから何日くらい経 過したのかなど、『お手入れのこまめさ』が美髪レベル向上の鍵となっている結果が示されました」

「つまり、年代に関係なく、日頃から髪のお手入れをきちんとしておけば、美髪になれるという事を意味しています」

「逆に言えば、ご自宅でのケアだけでは、髪の美しさを保つのは難しいとも言えます。 年齢を重ねても、髪の美しさを維持・向上するためにも、1ヶ月ないし1ヶ月半に一度は美容室に行かれることをおすすめします」

■髪のボリュームダウンは「頭のコリ」が原因だった!?

「髪のボリュームダウンが起こる原因は、基本的には細毛・抜け毛です。 細毛・抜け毛の要因は以下が挙げられます」

(1)ホルモンバランスの変化

「肌や髪を美しく保つために、女性ホルモンは非常に重要です。女性ホルモンの量は年齢とともに変化しますが、20代をピークに減少し始め、40代以降は急激に低下すると言われています」

「この急激なホルモンバランスの変化によって、肌においては乾燥やシワ、髪においては薄毛や細毛といった変化につながることが知られています」

(2)頭皮の血流量低下について

「髪の毛の成長には、頭皮表面の毛細血管から送られる酸素や栄養分が非常に重要です。ところが加齢に伴い、この『頭皮の血流量』が低下してしまうことが知られています」

「頭皮の血流量低下の原因は『頭部の筋肉の萎縮』です。加齢やストレスが引き金となって前頭筋、側頭筋、後頭筋が委縮すると、地肌を支える帽状腱膜と呼ばれる組織が引き伸ばされます」

「その結果、頭皮自体も薄く引き伸ばされ、地肌の厚みが低下することで毛細血管が委縮し、血流の低下につながるのです」

エイジング髪画像(毛細血管萎縮)

「血流が低下することで、髪の成長に必要な栄養が届けられなくなるほか、地肌の厚みが低下することで毛穴の向きが流れてしまい、髪がしっかり立ち上がらなくなる、といったことも考えられます」

■老け髪対策には「頭皮の血流改善」と「バランスのとれた食事」が重要!

「ヘアケアやライフスタイルなど、白髪と薄毛には共通して効果的な対策が多くあります。髪の成長には、毛細血管を通じた栄養の供給が欠かせないことから、『​頭皮マッサージによる血流の改善​』と『​髪の成長に必要な栄養素を摂取できる食事』の2点が非常に重要です」

(1)頭皮マッサージによる血流の改善

「年齢とともに、頭部の筋肉が萎縮し、帽状腱膜が引き伸ばされ、頭皮が薄く、硬くなって いきます。薄くなった頭皮では毛細血管の血流量が低下し、髪に必要な栄養が行き届きません」

「この状態を改善するには、頭皮マッサージを行うことが有効です。毎日、お風呂上がりに側頭部を手のひらで押さえて、上下に動かしてリフトアップさせていくだけでも、血行が促されます」

「この時、頭皮保湿ローションを塗布してから行うと、頭皮が柔らかくなって、より効果的です。簡単なマッサージなので、仕事や家事の合間のちょっとした時間でもできると思います」

エイジング髪画像(頭皮マッサージ)

(2)髪の成長に必要な栄養素が摂れる食事

「髪は皮膚や筋肉と同様『たんぱく質』でできています。健康的で豊かな髪を育むためには、このたんぱく質を多く含む肉類、魚類、卵等をしっかり摂ることが大切です」

「また、畑の肉ともいわれる大豆は、女性ホルモンに似た作用を示すイソフラボンを豊富に含むことから、ホルモンバランスの変化に伴う、髪のエイジングにも効果が期待できます」

エイジング髪画像(食)

「また、急激なダイエットを行うと、髪に影響が出ることがあります。ビタミンやミネラルといった栄養素も髪の健やかな成長に欠かせません。髪のためにも、バランスの良い食生活を心がけましょう」

髪のエイジング対策には、毎日のヘアケアやマッサージ、バランスの良い食生活が大切ということが分かりました。髪がまとまりにくい、ボリュームが低下してきた気がする…という人は、さっそく対策を始めてみて!

(つやプラ編集部)

【青山 日和さん プロフィール】

白髪・ミルボン青山さん写真

株式会社ミルボン 研究開発部 基礎研究グループ リサーチャー 近畿大学大学院総合理工学研究科修士課程卒。2014年ミルボン 入社。ヘアカラーチームにて主にオルディーブブランドの開発を担当。2019年からは基礎研究グループにてエイジング毛におけるケミカル施術(ヘアカラー、パーマ)の研究や製剤分析に従事している。

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