食物繊維といえば、私たちの体にかかせない栄養の1つ。タンパク質や糖質などの五大栄養素に加えて、第六の栄養素と言われています。

現在、国立がん研究センターでは、この食物繊維と大腸がんの関係を研究しています。最新の研究では、「食物繊維の摂取が少ないほど、大腸がんリスクが高くなる」と論文に発表されて話題となりました。そんな注目の「食物繊維」とは、いったいどんなものなのでしょうか?

 

腸を動かす不溶性と糖・脂の吸収を抑える水溶性

食物繊維とは、人の体内で消化されない食品成分の総称です。水に溶けない不溶性と、溶けてドロドロになる水溶性の2種類があります。

よく知られている、便秘予防効果があるのは不溶性。水分を吸うと大きく膨らみ、腸を刺激して便通をうながします。また、ダイオキシンを外に出す、デトックス効果もあると言われています。そのままだと便のかさを増して、硬くしてしまうこともあるので、たっぷりの水と一緒に摂りましょう。

水溶性の食物繊維は、胃の中でゲル状の網となって、糖分の吸収を抑えます。コレステロールなどの脂質にも吸着し、体外に排出してくれるので、肥満予防にも役立ちます。また、善玉菌を増殖させて腸内環境の改善もしてくれます。

どちらか一方だけを摂りすぎると、お腹を下したり、反対に便秘を重くしてしまったり、健康には逆効果となることもあります。不溶性2:水溶性1の割合が、もっともいバランスと言われています。



 

日本人は食物繊維が足りてない

厚生労働省が推奨している一日あたりの食物繊維摂取量は、女性約20g、男性約25gです。ところが、平成27年の国民栄養調査では、成人男女の食物繊維摂取量の平均は一日15gでした。前述した大腸がんだけでなく、「食物繊維の摂取が極端に少ないと、前立腺がんのリスクが上げる」という国立がん研究センターの報告もあります。健康のためには、これまで以上に意識して食物繊維を摂る必要があります。

不溶性食物繊維が多く含まれているのは、豆類、根菜、ごま、きのこ類などです。水溶性は、海藻類や、ライ麦、アボカドなどに含まれています。納豆やごぼうには、どちらも多く含まれているのでお勧めです。

とはいえ、食物繊維「だけ」を摂っても、健康にはなれません。国立がんセンターの研究でも「量が多いほど、リスクが低くなるという関連はみられない」と発表されています。やっぱり一番大事なのは、さまざまな食材をバランスよく摂ることです。いろいろな物を食べながら、食物繊維もしっかり摂っていきましょう。

 

【関連レシピ】納豆きのこ豚汁

具だくさんの豚汁なら、食物繊維がたっぷり摂れます。



<材料>(2人分)

しめじ…1/2パック

なめこ…1袋

納豆…1パック(約40g)

豚こま切れ肉…80g

にんじん…4cm(約30g)

ごぼう…6cm(約30g)

だし汁…2カップ

・ごま油、みそ

<作り方>

1.しめじは小房に分け、なめこは水でさっと洗って水けをきる。にんじんは1cm幅の短冊切りにし、ごぼうはよく洗ってささがきにする。

2.鍋にごま油小さじ1を熱し、豚肉を炒める。肉の色が変わったら1のきのこ、にんじん、ごぼうを加えてさらに炒める。

3.全体に油がまわったらだし汁を加えてふたをし、野菜がやわらかくなるまで約10分煮る。納豆を加えてさっと煮、みそ大さじ1 1/3を溶き入れる。(レタスクラブニュース)