メイド・イン・ジャパンにこだわり、鋳造と精密加工の技術を極めたものづくりを追求する「バーミキュラ」。ブランドの発信拠点「バーミキュラ ビレッジ」をLEXUS LC500 Convertibleで訪ね、日本の職人にしかできないものづくりと彼らの挑戦について聞いた。

メイド・イン・ジャパンにこだわり、鋳造と精密加工の技術を極めたものづくりを追求する「バーミキュラ」。ブランドの発信拠点「バーミキュラ ビレッジ」をLEXUS LC500 Convertibleで訪ね、日本の職人にしかできないものづくりと彼らの挑戦について聞いた。

メイド・イン・ジャパンで目指す「世界最高の調理器具」

1936年に創業された老舗鋳造メーカー「愛知ドビー株式会社」の3代目兄弟がつくり上げた、無水調理ができる鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」。理想的な無水調理で素材本来の味を引き出すこの鍋は、一般家庭だけでなく一流シェフからも高く評価され、海外マーケットでも順調に展開を進めている。なんでもない食材が驚くほどおいしくなる不思議な鍋として、一度体験すると熱狂的なファンになるというのもうなずける。

そのままオーブンに入れられる新作「オーブンセーフスキレット」と、素材本来の味を引き出す鋳物ホーロー鍋「オーブンポットラウンド」

愛知ドビー株式会社は、もともと鉄を溶かして砂型に流し入れ、冷やし固める鋳造と、その鋳物を削る精密加工を得意とする鋳造メーカーである。かつては下請けとして工業部品を製造していたメーカーが、自社製品をつくるに至った経緯について、3代目社長の土方邦裕氏と弟で副社長の土方智晴氏に聞いた。

愛知ドビー株式会社 代表取締役社長 土方邦裕氏(右)と代表取締役副社長 土方智晴氏(左)

現在は兄弟そろって仕事をしているが、大学卒業後はそれぞれ別の会社で社会人となり、のちに経営状況が厳しくなり倒産の危機にあった家業の小さな町工場へ戻ってきた。入社後、邦裕氏は鋳造、智晴氏は精密加工の職人として技術を高めていく。経営状況が落ち着いてきてからも、職人が昔のように仕事に誇りを持てずにいることが、子どもの頃から工場の敷地内に住んで職人に憧れを抱いていた2人にとってはとても気がかりだった。

「部品を正確につくり納品しても、最終ユーザーはもちろん、納品先からも感謝の言葉を聞く機会はほとんどありませんでした。自分たちが最高だと思える製品を自ら考え、直接お客様にお届けして、喜んでもらうことで、職人の誇り、また、ものをつくる喜びを取り戻すことができるはずだと考えたのです」

バーミキュラを代表する「ライスポット」(左)と「オーブンポット」(両氏が持っている)、2タイプの「フライパン」(手前)

新しく設備投資をするほどの余裕がないなか、自分たちの鋳造と精密加工の技術を使って「世界最高の鍋をつくる」という目標を設定した。当時、世の中で評価されていたのは、ステンレスやアルミを精密にプレスした、無水調理ができる鍋だった。

一方で、海外製の鋳物ホーロー鍋はたしかにおいしい料理をつくることができるのだが、無水調理ができないという弱点があった。その弱点を自分たちの技術力で解決できると踏んだのだ。何をつくるか決まったら、半年ほどで形にできると想定していたが、実際の製品開発は想像を超える困難が待ちうけていた。

一番難しかったのは鋳物へのホーロー加工。国内に実績のある加工会社がなく、自社で技術を研究し、1年以上かけて加工技術を確立させた。しかし「無水調理ができる鋳物ホーロー鍋」にするためには、ふたと本体の機密性を1/100mmの精度まで調整する必要があった。その難問さえも試行錯誤の末、兄弟と職人の技術力により、1年半で攻略。

「トータル3年半かけて、野菜の好き嫌いが多い社長がニンジンを探して食べるほどおいしい無水カレーがつくれる『世界最高の鍋』ができあがりました」と智晴氏。

無水調理可能な鋳物ホーロー鍋「オーブンポット」には、ホーローのかかっていないふたと本体の合わさる部分の、1/100mmの単位に迫る精度が重要

製品開発を主導する智晴氏によると、バーミキュラの製品開発は、つくりたい料理のイメージが先行するという。ブランドの出発点となったオーブンポットは、水を一切使わず食材の水分だけでつくる「無水カレー」の構想が頭の中にあった。ライスポットはお米のうまみが最大限に引き出された「ごはん」、フライパンは最高の「もやし炒め」をイメージした。

そこから、鍋の形状や鋳物の厚み、熱源の配置などの検討が始まる。バーミキュラ製品はすべて、肉や魚といったメインとなる食材はもちろん、野菜や米などの素材本来の味をいかに引き出すかを考えてつくられているのだ。

「おいしい食材は何をしてもおいしく食べられるでしょう。苦手な人が多い野菜をおいしく調理できてこそ“魔法の鍋”なのだと思います。バーミキュラを使えば、もちろんメインの食材ももっとおいしくなります」と智晴氏は楽しそうに語った。

経営者であると同時に「職人」でもある2人に「日本のものづくり」が特別である点とは何かを聞いてみた。次々に出てきた言葉は、実際に手を動かし、ものをつくっていることが伝わってくるものばかりだった。

「繊細さ」
「おもてなしの心」
「ものづくりに対する真摯な姿勢」
「製品開発において、一番忍耐力が必要な素材開発を大切にするところ」
「細やかなアフターフォロー」

「アフターフォローについては、LEXUSの素晴らしいサービスから着想を得ました」と、LEXUSオーナーでもある邦裕氏。購入前の相談から修理依頼まで、バーミキュラにまつわるすべてをサポートしてくれる「バーミキュラオーナーズデスク」は、LEXUSの「オーナーズデスク」を参考にしているという。

日本のものづくりを追求するバーミキュラを率いる2人は、細部にまでこだわり職人の手により造り込まれた内外装など、共感のもと、常にLEXUSに注目しているという。

LC 500 Convertibleの魅力

今回、2人には美しさと走りの魅力を追求したLC 500 Convertibleに試乗してもらった。真っ先に出たコメントが「クルマらしさ」だった。

「ドライビング プレジャーを感じられる先進的でモダンなデザイン。アナログ感とデジタル感というか、手づくりとテクノロジーの融合といった両極端のものが同時に存在しています。エンジン音がすごく良くて、シートに伝わる振動も心地よい。包み込まれるようなシートは疲れにくく、前方に集中できる視界もあって、遠出をしたくなります」

緩急のついたソフトトップルーフの開閉リズムも日本らしいタメがあり、動きまで美しく設計されているところにLEXUSらしさを感じるという。

楽しそうにクルマのディテールについて話す2人から、これからのLEXUSが提供するラグジュアリーな移動体験を楽しみにしている様子が伝わってきた。

“最高のバーミキュラ体験”を提供する「バーミキュラ ビレッジ」

「調理器具である以上、体験してもらうことで、その良さが伝わる。実際にバーミキュラを使った料理を食べてもらうのが一番分かりやすい」という想いから、「最高のバーミキュラ体験」をテーマにつくられた体験型のブランド発信拠点「バーミキュラ ビレッジ」。オンライン販売から始まったバーミキュラにとって、製品を体験してもらえる「バーミキュラ ビレッジ」は、実際にユーザーの笑顔を見ることができる大切な場所であり、「メイド・イン・ジャパンのものづくり」を直接伝えられる拠点なのだ。

バーミキュラ ビレッジ「スタジオエリア」

白壁に黒いフレームが印象的な「スタジオエリア」には、フラッグシップショップ、ラボラトリー、クッキングスタジオ、クックブックライブラリー、オーナーズデスクなどがあり、実際に製品を使った調理デモンストレーションや料理教室などが開催されている。ここでしか購入できないオリジナルアイテムもあり、まとめ買いする人もいるという。

「スタジオエリア」の入り口
バーミキュラの製品はもちろん、バーミキュラで調理した料理をおいしく食べるための食器や道具もそろう
運河側から自然光が入るフラッグシップショップの店内

「スタジオエリア」からすぐの場所にある「ダインエリア」はウッディな外観が特徴で、中には大きな窓から陽射しが降り注ぐ明るい空間が広がる。

「バーミキュラ ポットメイドベーカリー」のパンはすべてバーミキュラの鋳物ホーロー鍋で焼き上げられる。焼き立てのパンを購入し、運河沿いのテラスや2階のイートスペースで食べてもいいし、もちろんテイクアウトも可能だ。ベーカリー用に開発された専用食パン型やミニスキレットは、フラッグシップショップで購入もでき、お土産にちょうどいい。

「ダインエリア」のバーミキュラ ポットメイドベーカリー(左の棟)とバーミキュラ レストラン ザ ファウンダリー(右の棟)
バーミキュラで無水調理したカレーを包んだカレーパンは人気商品のひとつ
ベーカリー用に開発されたミニスキレットで焼かれたスイーツも豊富。売り切れてしまうことも多いので、事前予約で購入する人も
バーミキュラ ポットメイドベーカリー2階のイートスペース

「バーミキュラ レストラン ザ ファウンダリー」はバーミキュラの世界観を堪能できるレストランだ。入り口には暖炉があり、調理場の薪窯で調理される料理からも香ばしい匂いが漂っている。たくさんのライスポットが並び、炊き立てのご飯とともに素材本来の味わいを丁寧に引き出した料理を楽しむ人でにぎわう。

バーミキュラ レストラン ザ ファウンダリー入り口にある暖炉とバーカウンター、運河沿いにはテラス席もある
レストランの薪窯
整然と並ぶバーミキュラ製品

2021年12月、東京の代官山にオープンした「バーミキュラ ハウス」は、「バーミキュラ ビレッジ」の「最高のバーミキュラ体験」というテーマを受け継ぎ、気軽に立ち寄り、バーミキュラを知ることができる店舗だ。フラッグシップショップ、レストラン、デリカテッセン、クックブックライブラリー、コーヒースタンド、クッキングルームの機能を持ち、料理教室や20分程度で気軽に調理を体験できる「TOUCH&COOK」で実際に製品を使ってみることもできる。

代官山の旧山手通り沿いにある「バーミキュラ ハウス」

感性を刺激するバーミキュラの「メイド・イン・ジャパンのものづくり」を体験しに出かけてみてはいかがだろう。特別なおいしさを自宅でも再現できる調理器具で、新しい体験に胸が弾むはずだ。

バーミキュラ
https://www.vermicular.jp

バーミキュラ ビレッジ
https://www.vermicular.jp/village/

バーミキュラ ハウス
https://www.vermicular.jp/house/

Text & Edit by Tamako Naoe(lefthands)Photographs by Maruo Kono