最終日に充分伸ばせず22位タイも、3ホールで見せた爆発力の片鱗

 日本人にとって思い出深い大会の1つと言えるのが、今回の「ウェイストマネジメント・フェニックスオープン」だろう。松山英樹が2016、2017年と連覇を果たした一戦であり、その相性の良さから、今年はまだ調子が充分に上がらないなかでも、パワーランキングで12位に挙げられた。
前週は、3日目に首の痛みが少し出ていたこともあってか、71位タイ。「毎週自分に期待しているんですけど、毎週自分を裏切っている感じです」というコメントが現状のもどかしさを表しているが、ある程度の手応えを感じているからこその言葉でもある。
「ショットもパットも兆しが見えそうな雰囲気は出ていて、これは試合になってみないと分からない部分ではありますが、自信を持って打てるように出来たらいいなと思います」

 初日は降雨中断により、松山がプレーしたのは7ホールだけだったが、内容は派手だった。ボギーとダブルボギーを1つずつ喫する一方で、1イーグル、2バーディー。そのうちの2つが、チップインで決めたものだった。1番では、グリーン右のフェアウェイから11ヤードの3打目を放り込み、3番パー5ではグリーン右奥のフェアウェイから9ヤードの3打目をピッチエンドランで沈めた。
 2日目に残した11ホールも、出入りがやや激しかった。8番でボギー、12番パー3では1打目を池に入れてダブルボギーも、11、13、14、16番で4つのバーディー。なかでも名物の16番パー3では、1打目をピン右奥2.5mにつけ、わずかに左に曲がるパットも決めると、大歓声を一身に浴びた。2アンダー、23位タイでトップとは9打差のスタートだが、2位は6アンダーだから、まずまずの滑り出しだ。

 2日目に続けて回った第2ラウンドの18ホールは、一転、安定したスコアカードとなった。10番からスタートし、13番パー5では1打目が木の根元に止まるトラブルがありながらもパーセーブするなどして、ボギーはゼロ。バーディーは、80ヤードの3打目をスピンで1.5mに絡めた15番をはじめとして、計3つを奪った。通算5アンダーで23位タイとし、悠々と予選通過。首位との差も8打に縮めた。
 ただ、計29ホールを戦ったこの日を「長かったですね」と振り返る松山の表情は、厳しめだった。「パットは、そんなに大きなミスはしていないので良かったと思います」と語る一方、第2ラウンドでチャンスが少なかった点が表情を晴れさせなかったのだろう。

 3日目は、第2ラウンドを残していた選手が多かったため、第3ラウンドのスタートが遅れ、松山は14番のバーディーパットを残した所で日没による中断となった。この日のプレーは、スコア上ではまずまずの流れと言えた。1番で3.5m、2番で5.5m、4番で4.5mのバーディーパットが決まらず、嫌な雰囲気かと思われたが、5番で202ヤードの2打目をピン奥2mにつけて、待望のバーディー。6番のボギーを挟み、10番ではグリーン右手前バンカーから7ヤードの3打目をカップインさせて大歓声を受けると、さらに13番パー5でもグリーン左ラフから32ヤードの3打目を下りの傾斜で上手く転がし、1m強のバーディーパットも沈めた。計3つのバーディーにより、通算スコアは7アンダーまで伸びた。

 最終日は、再びの長丁場。第3ラウンドの残りは、16番パー3でボギーを喫したものの、気持ちの良い上がりとなった。短いパー4の17番では、グリーン右手前から32ヤードの2打目を2mに寄せ、最終18番でも右ラフから182ヤードの2打目を右ピンハイ2m。第3ラウンドを終えて、通算8アンダーの17位タイはトップと7打差だが、トップ10はわずか2打差であり、最終ラウンドに期待を持たせる位置につけた。
 続く最後の18ホールは、結果的には1アンダーに留まったが、松山らしい爆発力の片鱗も見ることが出来た。途中までチャンスは少なく、5、12番では、いずれもグリーン左バンカーから寄せ切れずにボギーとしたが、13番パー5から圧巻の3ホールとなった。13番では、左ネイティブエリアから287ヤードの2打目で大きなフックをかけてボールをグリーン右奥10ヤードに運び、そこからチップインイーグルで力強くガッツポーズ。14番では181ヤードの2打目を1.5mにつけ、さらに15番パー5では233ヤードの2打目をアイアンでピン筋に飛ばして、ピン手前3.5mからイーグル逃しの2連続バーディーを奪った。17番で1m強のパーパットを外し、4日連続の60台とはいかず、最終的に通算9アンダーの22位タイだったが、現在、プロデビュー当時のようなアップライトなものに変わってきているスイングは、かなりの可能性を伺わせた。

 次戦は、シグネチャーイベントのジェネシス招待。4連戦の疲れを、自らの結果で吹き飛ばしたい所だろう。そのためには、よりレベルの高い安定感、一貫性が求められる。



通算スコア:-9
順位:22T