2020年の春、多くの人々が自宅で仕事をするようになったコロナ・パンデミックから3年以上が経ったいま、起業家はまだ、従業員が在宅で仕事をすることを許可するか、許可するとすれば、どの程度が適切かという問題に取り組んでいます。

この議論はしばしば、生産性の問題に帰着します。

本当に、リモート・チームはオフィスに出社しているチームと同じくらいの生産性があるのでしょうか?

この問いに対する答えが出はじめています。柔軟性が成長への大きな弾みとなる可能性があることを、ある新しい研究が示唆しています。

リモートワークを許可している企業は成長スピードが4倍

ハイブリッド・ワークプレイス・ソフトウェア企業であるスクープ・テクノロジーズとボストン・コンサルティング・グループの分析によれば、リモートワークを従業員の裁量に任せる企業は競合他社を圧倒しており、柔軟性の高い上場企業は厳格に出勤を定めている企業に比較して成長スピードは4倍となっています。

この調査は2020年から2022年までの期間、上場企業554社を対象にしたものですが、柔軟性の高い企業は21%の増収を達成しているのに対し、社員に出社を義務付けている企業は同期間で5%の増収となっています。

出社規則を設定している雇用者間で比較すると、ハイブリッド型の企業は週5日の出勤を義務付ける企業に比べて2倍のスピードで成長しており、6パーセントの増収となっています。

対して、完全に出社を義務付ける企業では3パーセントの増収でした。

従業員の定着率が高まる

スクープ社の共同設立者でありCEOであるロッド・サドウは、リモートワークによって、従業員がより積極的に働くようになり、会社に留まる可能性が高まり、採用候補者を推薦してくれる可能性も高まると語っています。

「こういった企業は、出社に戻すかどうかという議論に気を取られているわけではない」とサドウは言います。

やるべきことを実行すること、よい仕事をすることに集中している。

従業員の満足度もアップ

起業家にメリットをもたらすだけではありません。スタンフォードの経済学教授、ニコラス・ブルームによれば、労働者はリモートワークが8パーセントの昇給と同じ価値があると判断しているということです。

ブルーム教授は長年、リモートワークについて研究を行なってきましたが、在宅で仕事ができるようにすることで、退職率の35パーセント減少が見られたといいます。

歴史的な逼迫をみせる労働市場で労働者を探すのが難しい小規模企業にとって、雇用に関するコストを削減し、事業拡大に集中できるようになります。

Inc.5000のEntire Productionsを三度受賞したことのある創業者、ナターシャ・ミラーの場合も同じです。ミラーは2000年に、オークランドとカリフォルニアに本拠地を置くイベント・エンターテイメント会社をハイブリッド型の職場として立ち上げました。

パンデミックのため、2020年にベイエリアが閉鎖されたとき、物理的なオフィスを捨てて、完全にリモート型の企業になると決めました。

この変更によって成長が妨げられることはなく、ミラーと12人のフルタイム従業員は、四半期毎のチームの結束を高めるためのイベントや、月に数回ある顧客のイベントなど「有意義で役に立つ」機会に顔を合わせています。

リモートワーク以外に必要なこと

スクープ社と共に分析を行った、ボストン・コンサルティング・グループのシニア・パートナー兼マネージング・ディレクターであるデボラ・ロビッチは、過去15年にわたって、新しい働き方を調査してきました。

そして、必ずしも「スイッチを切り替えて従業員に柔軟な働き方ができると告げれば、たちまち収益が伸びはじめる」というわけではありません、とロビッチは語っています。

企業文化の一部として在宅勤務を受け入れるような企業は、成長を促進するそれ以外の質的特性、つまり、信頼、革新、プロセスに適応し改善する意欲なども持ち合わせているものなのです。

いまや、「これが仕事だ。やるか、辞めるかだ」ではありません。どうすれば従業員にとってより良い方法で仕事ができるようになるのか、どの組織ももう一度考えてみる必要があります。

IT企業が「1カ月すべての会議をキャンセル」。大胆な試みからわかった2つのこと | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2303-tech-company-learned-canceling-meetings-month/

リモートワークでも幸福度をキープする8つの習慣。オンとオフの切り替えがミソ | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2304-healthy-remote-work-habits/

Originally published by Inc. [原文]

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