Inc.: 多くの専門家が指摘しているように、プレゼンやスピーチにおいて、箇条書きはあまりオススメできません。聴衆は箇条書きと話の内容のどちらにも集中しきれず、けっきょく何も覚えていないなんてことになりかねません。また、画像を伴う情報のほうが、脳に蓄積されやすいのも事実です。

ところが、神経科学者のLeo Widrich氏の記事によると、箇条書きがよくない理由はそれだけではなさそうです。

箇条書きと脳

パワーポイントで作られた、よくある箇条書きの資料。それを見ながら話を聞いているとき、脳内のブローカ野とウェルニッケ野が活性化します。どちらも言語の生成、処理、理解をつかさどる部位であり、聴衆は箇条書きの理解に努めていると言えるでしょう。

しかし、それ以上でもそれ以下でもありません。つまり、箇条書きの資料は、脳の一部にしか訴えかけないのです。

記憶に残る話をするには

The New York Timesによると、繊細に作られたストーリーの場合、活性化するのはブローカ野とウェルニッケ野だけでないことが複数の研究で示されています。聴衆の脳は、ストーリーを疑似体験しているかのような反応をするのです。

たとえば、すばらしい朝食についてのストーリーを聞いていると、味覚や臭覚を処理する部位が活性化します。感情的な記憶はそのような感覚情報と関連付けられているので、聴衆はむかし祖母に作ってもらった、マシュマロとチョコのかかかったパンケーキの味や匂いまで思い出せるのです。

ここまでいけばしめたもの。聴衆はあなたのストーリーへくぎ付けになります。過去の体験まで思い出しているので、感情移入もしているでしょう。あなたは話しやすくなり、ますます聴衆の信頼を得られます。あなたの発する言葉の1つ1つが彼らの心に届き、「いい話だった」と思ってくれるに違いありません。

この事実は、スピーチ以外にも応用できます。Widrich氏が言うには、“いい話”による脳の活性化を理解すれば、文章にもそれを活かせます。たとえば、記事やニュースレターを書くとき、逸話や引用文をうまく使えば、比喩を豊富に含む文を挿入でき、あなたの文章を引き立ててくれるでしょう。

だからと言って、箇条書きがいつでも悪者なわけではありません。統計値など、具体的な事実のプロセスを説明したりシェアしたりする場合には有効です。たとえばオンライン出版をする場合、読者が画面を見ていることを意識して、どんな中断や困難があるのかを考えながら書く必要があります。

もし、聴衆や読者に響くストーリーを語りたければ、脳はマルチタスクができないことは肝に命じておきましょう。複数のタスクを処理する際、脳はタスクからタスクへと素早く切り替えを行っています。つまり、複雑なストーリーは相手のエネルギーを急速に奪い、消耗させるだけです。どんなストーリーであれ、シンプル・イズ・ベスト。聴衆にとって、それ以上にありがたいことはありません。

Neuroscience Just Revealed That Your Brain Prefers This to Bullet Points in Presentations | Inc.

Image: Uximetc pavel/Shutterstock.com

Source: Buffer Social, The New York Times

Reference: LinkedIn SlideShare, Psychology Today, Quartz