Facebookは、筆者の生産性と心の健康だけでなく、妻との関係性にも悪影響を及ぼしています。私が頻繁にFacebookをチェックしているのが、妻は気に入らないようなのです。何とかしなくちゃ……とは思っているのですが、なかなかやめられません。

アカウントを削除すればいいのかもしれませんが、その気はありません。Facebookは単なる時間の無駄ではないのです。友人や家族とつながっていられる。大好きな人たちの写真を見られる。ニュースやリサーチのソースとして使える。そして、暇つぶしにもなるなど、メリットもたくさんあるのです。

多くの人はきちんと一線を引いて、適度な使い方をしているのでしょう。でも、大事なことや楽しいことを犠牲にしてまで、Facebookにはまっている人もいます。それだけでなく、Facebook上での口論などといった、まったく楽しくないことに首を突っ込んでいる人も少なくありません。

そんな私たちは、SNS中毒なのでしょうか? 確かに、極端な人は中毒と言えるかもしれません。でも、ほとんどの人は、そこまで深刻ではないはずです。

オックスフォード大学インターネット研究所の実験心理学者、Andrew Przybylski氏はこう言います。

多くの人が中毒だと思っている行動の大半は、単に自制できていないだけに過ぎません。

テック中毒の専門家でもあるPrzybylski氏は、自分がFacebookなどのSNS中毒で早々にやめたいと思っている人の多くは、その理由を理解していないと言います。同氏によると、SNS中毒とそうでない状態の違いは、SNS以外のことがすべて無意味に感じられるかどうかにあるのです。

行動嗜癖と薬物中毒との違い

テクノロジー、仕事、ギャンブル、セックスといった行動への中毒は、ニコチン、アルコール、麻薬などの薬物中毒とは異なります。前者は行動嗜癖と呼ばれ、薬物中毒よりも強烈になりえます。それだけでなく、対処も困難になる可能性があるのです。

ノッティンガム・トレント大学の心理学者で行動嗜癖を専門とするMark Griffiths氏はこう言います。

(行動嗜癖には)抑制の方法がありません。ワーカホリックの人に二度と働くなとは言えませんし、セックス中毒の人に二度とセックスをするなとは言えません。それと同じで、Facebookを二度とするなとは言えないのです。

Griffiths氏は心理学のブログを書いており、人気を博しています。その中で、自分の投稿が多くの人に読まれているときの興奮状態や、ギャンブルなどの行動嗜癖は「薬物中毒と同じくらい深刻である」ことを説明しています。

では、自分が本当にFacebook中毒かどうかを見極めるにはどうしたらいいのでしょうか? Griffiths氏は、このように説明しています。

人生でいちばん大切なことになっている。やめられなくて他の活動に支障がある。気分転換に使っている。人から「いいね!」をしてもらうためや、自分を麻痺させるために使っている。次第に鈍感になり、同じ気分転換を得るためにより多くの反響が必要になっている。

中毒かどうかを判断するには、深刻さで考えるといいようです。つまり、最初の2つのポイントが重要。SNSは、本当にあなたにとっていちばん大切ですか? それ以外のことはどうでもいいと感じますか?

私の場合、1日に2時間ほどを無駄にしているだけです。仕事はこなしていますし、運動もしています。食生活も乱れていないし、家族との時間も取れています。どんなときだって、Facebookよりもセックスを選びます。ゆえに、上記の定義に当てはめれば、私は中毒ではないと言えるでしょう。

ほっ。

それでも、時間は取られすぎですし、不安になることもあるので、問題は問題です。私のようなヘビーユーザーがFacebookを見る時間を減らすには、いったいどうしたらいいのでしょうか?

対策へ移る前に、そもそもSNSの使いすぎによる弊害を知ることから始めましょう。

FOMOとSNS使用

前述のAndrew Przybylski氏は、帰属感、達成感、自主性など、人間が持つ心理的ニーズを取り上げています。Science Directに掲載された、『Computers in Human Behavior』の論文によると、これら3つの感覚が低い人は、FOMO(SNSで自分だけが取り残されたという感覚)のレベルが高いそうです。FOMOが高い人はSNSの使用頻度が高いこともわかっています。

FOMOはなぜ、FacebookなどのSNSに私たちを誘うのでしょうか? 同論文では、その理由をこう説明しています。

SNSは、世の中の出来事と継続的につながっていたい人にとって効率がよく、抵抗の少ない方法です。

「Facebookをどれくらい使っていますか?」という質問への正確な答えは得られません。同論文によると、「SNSへの没入度」を判断するには、15分の散歩中、食事中、寝る前の15分でSNSを使ったかどうかを聞くのがいいそうです。過去7日間の大半において3つともYesなら、間違いありません。

Przybylski氏は言います。

FOMOが高まるほど、Facebookへのポジティブな感情とネガティブな感情の双方が高まります。

私がこの記事を書いているのは、自分のSNS使用時間をコントロールしたいから。使いすぎに悩んでいるのは私だけではないはずです。Facebook依存に関するさらなる逸話を知りたくて、私は質問を投げかけてみました。もちろん、Facebookを使って。

すると、Nicholas氏からこんなコメントがありました。

上司がオフィスにいるときはSNSを使わないので、仕事の生産性が一気に高まります。

Jenniさんは、こうコメントしました。

ときどき仕事に邪魔されるけど、私は2つ携帯を持っていて、どっちもたいていSNSのせいでバッテリーがない状態です。

彼女の言葉に注目してくださいね。仕事が、携帯のバッテリー消費の邪魔をするのです。彼女は運転中もFacebookを使っていて、このコメントも運転中に書いたと言っています。それは、いいことではありません。さらに彼女は、こう付け加えています。

私も悪いけど、私のパートナーはもっとひどいです。

Suzanneさんはこんな意見。

人生最大の時間の無駄ですね。どんなときでも使い続けちゃいます。

Micheleさんの書き込みはこう。

夫はいつも携帯でFacebookを見ています。ディナーの外食中でさえも。

リスクと報酬

でも、悪いことばかりではありません。Facebookのおかげで、私は執筆がうまくなりました。ここで言う「うまい」とは「人気がある」ことを意味します。SNSのおかげで、人々に何がうけるのかを実験し、人気が出る話題やトーンを知れるのです。

Mark Griffiths氏はこう言います。

本物のFacebook中毒者は非常に少なく、めったにいません。

Griffiths氏は5,961人の若者を対象にSNS使用に関する問題を調査し、『PLOS ONE』にその結果を共著で発表しました。その結果、「リスクあり」と判定されたのはわずか4.5%。一方で、多くの人がネガティブな方法でSNSを使っていることもわかりました。

たとえば、長ったらしい議論に参加したり、仕事の先延ばしとして使ったり、家族とのかかわりを避けるために使ったり、ニュースや誰かのコメント、場合によっては、いいね!の数に一喜一憂してみたり……。それでは、生産性や人間関係、心の健康を損なうだけでなく、あまりにもSNSに時間を費やしてトレーニングをさぼったり、食生活が偏ったりすることにつながり、身体の健康にも支障をきたすでしょう。

寝る前に知らない人とSNSで口論になり、あまりよく眠れなかった経験はありませんか? 繰り返しますが、アカウントを削除する必要はありません。SNSには、やるべきメリットもあるのです。

Andrew Przybylski氏は、今年『Psychological Science』に掲載された論文(SAGE Journalsより)に、こう書いています。

デジタルテクノロジーの適度な使用はもともと有害ではなく、メリットにもなります。

同研究は、235人の英国人の若者を対象に「ゴルディロックスの仮説」を検証したものです。「ちょうどいい」SNSの使用量とは、いったいどの程度なのでしょうか?

その結果、1日に1から2時間程度であれば問題ないものの、それを超えると多少ではあるものの、心の健康に測定可能な悪影響が出てくるそうです。そして、使用時間が長引くほど悪影響は深刻になります。

では、不必要にスクロールしたり、どうでもいい議論に参加したりせずに、メリットのある使用法に戻すにはどうしたらいいのでしょうか?

SNSの使用を減らすには

1. スマホのSNSアプリを削除する

Andrew Przybylski氏はこう言います。

スマホではなくパソコンでしか使えないようにしてしまいましょう。さらに、ブラウザにパスワードを記憶させないこと。あえて、ログインの手間を増やすのです。

2. SNS使用に関する独自ルールを作る

あなたは1日にFacebookへ費やしている時間を把握していますか? トラッキングツールはたくさんあるようですが、私はそういったテクノロジーが苦手なので、あまり使ったことがありません。朝起きてすぐFacebookを開き、食事中も寝る前も使っているので、こんなルールを決めました。

毎朝SNSを開く前に1時間仕事をする。その後、仕事に関係ないFacebookタイムを15分取る。その日の仕事を終えたら、再び仕事に関係ないFacebookタイムを15分取る。

それ以降はログアウトし、翌朝1時間仕事をするまで開きません。食事中も見ないことにします。

3. 議論を避ける

前述の人気ブログを運営するMark Griffiths氏は、ネット上でよく嫌がらせを受けるとのこと。私もよくSNSで独断的な意見を書いて、同じような反発を受けることがあります。Griffiths氏によると、

何を書いても、それが気に入らない人は必ずいます。

とのこと。

プロのライターでなくても、Facebookに投稿した内容やコメントに対して批判を受けることはあるでしょう。でも、その意見にいちいち反応、あるいは反論しなければならないという決まりはありません。

いつだって、「敵」は無視するのがいちばん。でも、私は誰かに自分のウォールを荒らされたときの気持ちを痛いほど知っています。そんなときは、投稿を削除して、相手をブロックしてしまいましょう。そうすることで、相手はあなたの電子的空間に意見を書き込む権利を失います。それでも、何か少しでも意見を言いたければ、ウィンストン・チャーチル卿の手法を採用してみてはいかがでしょうか。チャーチル卿は、皮肉で相手を黙らせることに長けていた人です。

私はかつて、Body for Wifeにダークチョコレートについての記事を書いたことがあります。それに対し、不快かつ長ったらしい批判の書き込みがありました。私は「スニッカーズでも食べておいてください」と一言だけ返信したのを覚えています。

とはいえ、どんなに皮肉を込めた対応でも、巻き込まれるリスクはぬぐえません。やはり、攻撃を向けられたときは、相手が存在しないかのように振る舞うのがよさそうです。

4. 新しいソースを制限する

Andrew Przybylski氏は、SNSの問題は終わりがないことにあると指摘します。Netflixで映画を見るのとは違い、いつまでもスクロールし続けることが可能です。そこで私は、スクロールする相手を決めることにしました。

友人のKathleenは、アメリカとカナダの政治情勢について、とても有益な情報を提供してくれます。今後、彼女とDan Rather氏以外の投稿は見ないことにします。

「デジタルデトックス」に関するより詳細な情報は、Mark Griffiths氏による『Psychology Today』の記事を参照してください。スマホを目覚まし時計として使わない(寝室に持ち込まない)、時間のチェックは腕時計を使い、メール/SNSをする時間を決める、画面を見ない時間を定める、画面が関係ない「空白を埋める」活動を見つけるなど、かんたんにSNSを制限する方法が書かれています。

SNSに費やす時間を減らすという意志を、世間に公開するのもいいそうです。だから私は、この記事を書きました。この記事がきっかけで、皆さんのSNSへ費やす時間が減ることを願っています。

How to Deal With Your Facebook Addiction | Lifehacker US

Image: Jim Cooke via Lifehacker US

Source: drmarkgriffiths, Science Direct, PLOS ONE, SAGE Journals, Psychology Today

Reference: Twitter, Body for Wife, Facebook1, 2