米チャンネルHBO®︎で放映されている、その名の通りシリコンバレーのスタートアップシーンを描いたコメディドラマ『シリコンバレー』。2014 年から放送開始され現在シリーズ4までOA。来年以降のシーズン5・6の制作も決定済み。日本でもHuluでシーズン4まで視聴することができるこのドラマですが、IT業界で働いている人、何かしら接点がある人にとってはクスッと笑えるシーンが満載のドラマなのです。

実在する企業・サービス名も数多く登場

日本での配信開始時のプレスリリースに記されたあらすじは以下の通り。

大手インターネット企業「Hooli」に勤めるリチャードは気弱で冴えないオタク少年。

世間からだいぶズレた天才インキュベーターが持つ“ハッカー・ホテル”に住む風変わりな仲間と、サイドビジネスで独自に開発した音楽の盗作を監視するアプリ「パイド・パイパー」の副産物として偶然できた“ファイルを物凄く小さく圧縮できるプログラム”を開発。この奇跡のプログラムは各社が大金を支払ってでもすぐに手に入れたい代物で、シリコンバレーに激震が走るほどの大発明だった。

超高額な金額で権利を求めてくる起業家たちの誘いを振り払い、リチャードは「パイド・パイパー社」を仲間と共に立ち上げる決意をする。スタートアップ経験ゼロのリチャードと自由気ままで個性バラバラな変わり者のメンバーたちは、持ち前の独創的なアイデアとゴーイング・マイ・ウェイ精神で、彼らの前に立ちはだかるいくつもの問題に立ち向かっていく。

パイド・パイバー社内の様子 Image: Hulu

Hooli社から主人公が独立してパイド・パイパー社を起業したあとの両社の駆け引きや、起業後の人集め、VCへの資金調達の面談など“実際にありそう”と思われるシーンがちりばめられたストーリーが展開されるのです。

また劇中の日常会話ではUberやAirbnb、Napsterなど新旧様々な企業・サービス名が頻繁に登場します。さらにシーズン1のクライマックスも、サンフランシスコで行なわれる実在のカンファレンス「TechCrunch Disrupt」というように、現地の”あるある”ネタが詰め込まれているのです。

ちなみにドラマのオープニングCGも、シリコンバレーの状況を反映するもの(かつシーズンによって、実際のシリコンバレーの動向を交え徐々に変化していくもの)です。このCGに出てくる企業や小ネタなどを一つ一つ解説した動画をアップロードしたユーザーも登場したほどです。さらにはリアルの場でもSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)やコミコンに出演者が登場、Googleのオフィス内でトークセッションを行なうなど、現地のIT界隈でも受け入れられている様子が伺えます。

日本でも字幕版のシーズン4までの配信と並行して、シーズン1の吹き替え版が先日登場。Huluで今作品を担当しているプロデューサーのHJホールディングス株式会社 コンテンツアクイジション部 マネージャー 原園明彦さんにお話を伺いました。

「Googleの人が見たらつい笑ってしまう」モチーフ

Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

――この吹き替え版はHuluオリジナルとのことですが、独自で吹き替え版を作るということは、やはり力を入れている作品ということになるのでしょうか?

原園:そうですね。『シリコンバレー』は戦略的に伸ばしていくソフトとしてやっていこうという方針です。

――日本で展開するにあたり、原園さんご自身が『シリコンバレー』を面白いなと思った一番のポイントは何ですか?

原園:実は私も1997年に一年間、シリコンバレーにいたんです。クパチーノにある、アップルの裏手の会社に一年いたのですが、パロアルトの大きい電気屋さんに行ったり人を紹介してもらったりする中で、現地のあの雰囲気は面白いなと感じていました。

『シリコンバレー』は当時に味わった雰囲気そっくりで、最初に観たときには俳優ではなく”プログラマーで演技に興味のある人”が出ているんじゃないかと思ったぐらいでした。実は「いかにギークに見えるか」を演技指導するスタッフがいるんです。実際に、シーズン1よりシーズン2、3と進むにつれて俳優陣のギーク感が増しています。

Hooli社内の様子 Image: Hulu

――作中では実在の企業も多く出てきますが、架空の企業についてもモチーフはあるのでしょうか?

原園:Hooli社内にあるポスターがGoogleの社内にあるポスターのもじりらしく、Googleの人がみたらつい笑ってしまうそうです。またHooli社のCEOとして登場するギャビン・ベルソンはスティーブ・ジョブズがモデルだそうです。

Hooli社CEOのギャビン・ベルソン Image: Hulu

パイド・パイパー社は平屋の狭いところで起業していて、アップルやHPもガレージで起業した、という点を彷彿とさせますよね。

通常の翻訳と異なるプロセスを踏んだ

Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

――吹き替え版を作るにあたってこだわられた点はありますか?

原園:ITの専門家が見て違和感がないように、というところです。フリーのテック関係のライターの方に手伝っていただきました。最初に翻訳者がスクリプトをあげて、それをそのままディレクターに渡すのではなく、渡す前に一回チェックをお願いしました。それをさらにディレクターが味付けしていく、という流れです。

――声優さんも日頃向き合う作品と毛色が異なる作品ということで、何か工夫されたのですか?

原園:主人公のリチャード・ヘンドリックスを演じる櫻井孝宏さんは王子様系の声優なので、最初にやってみたら、ギークにしては格好良すぎたんです。そこであえて声を張らずにボソボソ話してもらって、それを音量調整するという形をとっています。ミキサー泣かせですが、それがちょうど良いギーク感につながりました。

――改めて、最初にご覧になる方に「こういうドラマです」と伝えるならば、どのようにオススメしますか?

原園:成長物語なのですが、その主役がトム・ハンクスのような二枚目ではなく、ギークがやっているというところがポイントです。天才的な技術を持つ主人公が圧縮プログラムを作った、それをどううまくビジネスとして軌道に乗せて、お金を持っている様々な人がいろんなことを言ってくる…そんな奮闘ぶりに、ギークな人ってどことなく可愛いなと思えるドラマとなっています。

またそういった苦労については、就職して、すでに社会である程度の経験をしている世代の人にとっては特に共感でき、楽しめるのではないかと思います。

パイド・パイパー社を支援するVCであるRavigaのモニカ・ホール Image: Hulu

女性の方も、パイド・パイパー社の5人みんなキャラクターが異なるので、「こういう後輩がいたらいいな」といった目線で楽しんでもらうのも面白いのではないでしょうか。デートのシーンでは、「(コードを書く際に)スペース派かタブ派か」というきっかけでケンカが起こったりしますが…(笑)。

ちなみに、パイド・パイパー社、Hooli社などといった劇中に出てくる企業のサイトがあったり、パイドパイパー社の拠点にいる同居人が作った「ホットドッグかどうかを画像認識する」というカルト的なアプリまで実際にダウンロード可能となったりするなど、どこまでも“シリコンバレー”らしさを突き詰めた芸の細かいドラマとなっています。

Huluにてシーズン1の吹き替え版が登場するとともに、字幕版は最新のシーズン4最終話までが出揃いました。シリコンバレーの雰囲気を体感したい方も、このドラマで笑いながら忙しい毎日を乗り切りたい方も、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

Image: Hulu

Huluプレミア「シリコンバレー」

字幕版 シーズン1〜4 、 吹替版 シーズン1 独占配信中

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Photo: ライフハッカー[日本版]編集部

Image: Hulu

Source: シリコンバレー , Hulu