MYLOHASより転載:

いつもおいしいものや甘いものを食べて負担をかけつつ、健康にも美容にも直結している私たちの歯。MYLOHAS読者アンケートでは、ほぼ半数の方が定期的に歯医者さんに通っていると回答していました。

気になる歯のケア。まずは素朴な15の疑問について、神奈川・逗子で一人一人の悩みをじっくり聞くスタイルの歯科医療に取り組むメディスタイル理事長徳永淳二先生にお伺いしました。

Q1. 歯のメンテナンスでありがちな勘違いは?

A. 歯は"消耗品"、歯医者さんのお手入れは大切!

「歯磨きしていれば、歯医者さんに行かなくて安心」。そう考えている人も多いのでは? 読者アンケートでは足が遠のいている人もいるよう。でも、「歯は"消耗品"なので、手入れを怠らないようにしないと、ダメになってしまいます」と徳永先生。すりへったり、老化したり、虫歯になったり、徐々に消耗することはどうしても起こってきます。

「例えば、歯周病はかなり進むまでほとんど痛みなどの症状は出てきません。サイレントディジーズと呼ばれているくらい。歯を定期的にメンテナンスしておけば老化を遅らせることができます。症状がないからと安心することもできません。遠のいていたら歯医者さんに行ってみるといいですよ」

Q2. 歯のケアと、歯ぐきのケアは大切。どっちを気にするといい?

A.「流れ」が大切、歯も歯ぐきも一緒に考えて

お口のケアといえば、歯と歯ぐき。歯の汚れが気になったり、歯ぐきから血が出ていたり。どちらを気にしておくといいのでしょう? 日々、歯の悩みに応えている徳永先生は、「"流れ"を知っていることが大切。どちらもつながっているからです」と教えてくれました。歯の汚れから始まって、歯ぐきのトラブルにつながっていくのです。

「歯についた食べ物が歯石としてたまって、その歯石が汚れとなって細菌が増えてきます。結果、歯ぐきが腫れてきます。いきなり歯ぐきが腫れだすということはなくて、そのため流れを考えて、どちらについてもケアすることが大切」と徳永先生。

歯磨きをしていても、どうしても歯石は残ってしまいますから、歯石は歯医者さんできちんと取っておくなど、痛みが出てくる前から対処すると、歯も歯ぐきも健全に保つことができるのだそう。加えて、「お口のケアは、食生活も大きく関わっていることもお忘れなく」。

Q3. 歯医者さんの使い方について、最新ニュースは?

A. 歯医者さんは専門が分かれる方向、自分の悩みに合わせて

歯医者さんはいろいろあって、なかなか選びきれないという声も読者アンケートに寄せられました。最近の歯医者さんのトレンドはどうなっているのでしょう? 「歯科クリニックはある分野に特化したところが増えています。歯医者さんと言えばどこも同じではなくなりつつあるのです」と徳永先生。

例えば、子ども専門の歯医者さん、先端治療や難しい治療に特化したクリニックなど。徳永先生は「いすの高さや器具など治療内容によって全く違うので、分野によって分かれるのは自然なのです。海外では当たり前になっていて、日本でもそうした傾向が強まってきました。ご自分の悩みに合わせてクリニックを決めてみるといいのでは?」

Q4.やってしまいがちな歯の自己流ケアの間違いって?

A.歯を削ったり、溶かしたりに気をつけて

歯をきれいに保ったり、健康に保ったりするための工夫はよくあります。でも、中には間違った方法もあるのでは? と疑問を感じることがあるかもしれません。「歯をごしごし磨くのはよくある間違いです。強すぎると、歯がけずれるので、知覚過敏になったり、歯ぐきがやせてしまったりします」と徳永先生。

鉛筆持ちに軽く歯ブラシを持ってやさしく磨くのが正解だそう。「歯の汚れを取る専用の消しゴムがありますが、それも使い過ぎは歯を削ってしまいます。やすりだからです」。

歯をきれいに保ちたいあまりに、歯を痛めてしまえば本末転倒。「健康のためにお酢を飲んだり、梅干しを食べたりするのも、歯を溶かしてしまうことを知っておくといいかもしれませんね」と徳永先生。

Q5.歯医者さんの予約は、どのようにするといい?

A.電話して医院の雰囲気を知ってみて

歯医者さんは予約していくイメージはありますが、どのように予約するかは読者アンケートで関心の高い疑問でした。電話をするのがいいのか、ネットで予約するのがいいのか。「医院側からするとネット予約は確かに楽なのですが、電話をしてみると、その医院の雰囲気が分かるのでいいと思います。どのような対応か知ると、およそどんな医院かは分かるものですよ」と徳永先生。

例えば、怒りっぽい対応をしていると、そのクリニックのスタッフはイライラしているのかな、などとピンとくる。「歯医者さんもさまざま。自分と考え方の合うところは人により異なりますし、専門もいろいろですから、複数のクリニックで話を聞いてみてもいいと思います。」と徳永先生。どの歯医者さんに行くか迷っているときには、電話してみてるのはいいかもしれません。

Q6.冬場に気をつけたい、歯の問題は何?

A. 口の中の乾燥に注意して

「寒いと前歯が痛くなるなんてこともありますが、冬はなんといっても口の中の乾燥に注意して」と教えてくれる徳永先生。というのも、歯は乾燥に弱いから。歯は濡れている状態ならば、唾液の作用で虫歯をおさえられるのですが、乾いてしまうと虫歯ができやすくなってしまうのです。冬は歯がうるおった状態が保たれるようにするといいそうです。

徳永先生は、「口で息をすると口の中が乾きやすくなるので、鼻で息をするとよいですよ」と教えてくれました。また、歯が乾くと、汚れや着色もつきやすくなるので、そこも気にしたいところ。「逆に前歯の表側に汚れや着色がついているときは、歯が乾いているのではと疑ってみるといいかもしれません」

Q7.歯の磨き方、どれくらいの頻度がいい?

A. 歯は磨かないのは良くないですが、磨きすぎも良くないと言われます

どれくらいなら磨いていいのでしょう。徳永先生は、「朝昼晩、5分ほどかけて磨くといいです」と教えてくれました。理由は、汚れは細菌のかたまりで、時間が経つほどその細菌が増えて活性化してしまうからです。活性化した細菌は、取りづらくなります。

「だから時間が経つ前に、歯を磨くと理想的。鉛筆持ちで、力を入れずに、1本1本磨いてください」

Q8.歯の治療でまずお金をかけるならどこ?

A. 予防をまず大切に!

歯の悩みはさまざま。治療のメニューも多くて、お金もかかるから、二の足を踏んでしまうという声も読者アンケートから聞こえてきました。もちろん必要な治療はすべきだけど、どこからお金をかけるといいでしょう。徳永先生は、いくつかのポイントを挙げてくれました。

「まず、歯のクリーニングにはお金をかけるといいと思います。歯石や細菌のかたまりをそのままにしておくと、歯にも歯ぐきにも良くないですし、虫歯や歯周病になってからでは、余計にお金がかかってくるからです」予防をまず考えておくと、あとあと経済的な負担も軽くなるということ。

さらに、「歯並びが良くないと感じるなら、矯正は早めにするとよいでしょう。虫歯や歯周病になりやすかったりして、やはり、のちのち経済的な負担がかかりやすくなるためです。全身の健康にも影響する咬み合わせを考えると、とくに奥歯の咬み合わせが大切です」と徳永先生。

Q9.歯医者さんは、虫歯を白いままで治してくれる?

A. はい。技に自信ありの歯医者さんにかかるのが理想的

かつては、虫歯になると、歯は銀歯になったり金歯になったりしたもの。いつの間にか、白い歯のまま治せるようになっています。これってどこでも治してくれるものなのでしょうか。「今は虫歯をレジンと呼ばれるプラスチックを使うことで白い歯のまま治せるようになっています。でも、レジンで歯を埋め合わせるのはちょっと技が要ること。簡単ではないのです」。

では、どのような歯医者さんで受けるといいでしょう。徳永先生は、「歯の治療前後に、写真を撮って大きく見せてくれるところは良い歯医者さんの目安になるかもしれません。治した後の状態に自信がないとできないからです」と言います。

また、「できれば1回の治療に1時間くらいの時間をかけているところの方が、小さな虫歯まで顕微鏡やルーペを使って時間をかけて治療してくれるので安心。ただ、その場合は自費診療のことが多いです」と徳永先生。歯医者さん選びのときに覚えておくとよさそう。

Q10.歯ぐきから出血したら、すぐに歯医者さんに行った方がいい?

A. 歯周病が進んでいる可能性あり、クリニックの予約を

歯ぐきから出血してしまうことは珍しいことではありません。「自然に治るかな?」とも思いそうなところですが、歯医者さんに行った方がいいのでしょうか。

徳永先生は、「歯医者さんに行ってみては? 出血しているときには歯周病が進んでいる可能性があるからです」と言います。歯周病は初め症状がほとんどないそう。出血していたり、痛くなったりしているときには気をつけた方がいいようです。歯医者さんの予約を考えてみても良さそうです。

Q11.口臭は、歯医者さんに行くべき?

A. 口の状態を歯医者さんでチェックして

口臭は、口の問題だけに、歯医者さんに相談するのが良さそうですが、それで合っている? 徳永先生に聞くと、「まずは歯医者さんに行ってみるといいでしょう。口臭の原因は2通りあります。口の中と胃腸です。歯医者さんでは口の中の原因を探ることが可能。ほかの原因とみられれば、胃腸の医院を紹介することになるでしょう」とのこと。

歯周病では、本人は慣れてしまって気づかないうちに口臭があるときもあります。虫歯の奥が腐ってしまい悪臭が出ていることもあります。冬は乾燥によって口臭が起きやすいのも要注意!

Q12.フロスや歯間ブラシって必要?

A. 使った方がいいでしょう

歯磨きを毎日しているけれども、歯の間の汚れも気になるもの。フロスや歯間ブラシも売っていますが、使った方がいいのでしょうか? 徳永先生は、「アメリカでは、フロス・オア・ダイなんてキャンペーンもしているくらいフロスが一般的ですが、日本でもやった方がいいでしょう。歯の間が空いていないならフロスを使って、歯の間が空いているときには歯間ブラシを使います」と教えてくれました。歯磨きだけではやはり、歯の間の汚れまでは取れませんから、フロスなどは活躍するようです。

Q13.歯磨きしていても虫歯になるのはどうして?

A. 虫歯のなりやすさは気にすべき

虫歯になりやすい人となりにくい人がいるのでは? そんな風に感じたことはありますか? 徳永先生によれば、「確かに歯をきちんと磨いていても、虫歯になってしまう人はいますし、逆に歯を磨いていないのに、なかなか虫歯にならない人もいます」とのこと。

免疫力や食生活などの状態に個人差があって、虫歯のなりやすさも違ったりして、歯の強さ、弱さも人それぞれだそう。「自分が虫歯になりやすいという場合は、食生活に気をつけて歯のクリーニングを念入りにして、フッ素による処理もきちんと行うなど、虫歯予防を特に気をつけるといいでしょう」と言います。

また虫歯になりやすい人は、歯の根元の虫歯になりやすいといった特徴もあるようです。「仕事柄、甘いものをよく食べたり、料理を口にしたりすることが多い人も気をつけるとよいでしょう」

Q14.ホワイトニングってどうですか?

A. 日本人には合った治療です

歯を白くするホワイトニングはよく目にしますが、どうなのでしょう。読者アンケートでも関心のある方が多いようでした。徳永先生は、「歯は表面が透明のエナメル質からできていて、その内側に象牙質があります。ホワイトニングは象牙質を漂白する治療です。日本人は象牙質が黄色いことが多いので、ホワイトニングは歯を白くするために効果的なのです」と説明してくれました。

Q15.歯並びは治した方がいい?

A. 早めに治すといいですね

歯並びに自信がないけれど、治すまでもないかな? という考えもおかしくはなさそう。本当は治した方が良いのでしょうか。

「物を食べるときに、噛む力と飲み込む力が大切だと言われるようになってきています。飲み込む力はなかなか鍛えられないのですが、噛む力は咬み合わせを治すことが有効」と徳永先生。

歯並びが悪いと虫歯や歯周病になりやすくなりますが、さらに、長期的に考えても、咬み合わせを治すことが体のバランスを整え、また栄養摂取も良くして、身体全体の健康にもつながるそうです。歯並びや体のバランスの崩れから顎関節症になることもあります。

「顎関節症なども治すのがいいでしょう。歯医者さんの中でも得意とするクリニックがありますから、そうしたところで相談できます」

徳永淳二(とくなが・じゅんじ)先生歯科医師。逗子メディスタイルクリニック理事長。「美しく健康な生活を医学の力でサポートします」のコンセプトの下で、美容皮膚科と形成外科、歯科の診療を同じクリニックで提供。東京医科歯科大学を卒業後、勤務医などを経て、スウェーデンのイエテボリ大学にてDr.ウィドマークに師事し、神奈川県逗子市にて開業。逗子メディスタイルクリニック

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