アメリカでは、ミレニアル世代が上の世代に比べて大学卒業後に独り立ちするのが難しくなっている。
とはいえ、仕事をリタイアした親たちが、これほど長期にわたって子どもを金銭的に支援し続けることになると想定していないのは当然だ。
ダーク・コットンさんは2005年、52歳でAOLのエンジニアの仕事を辞め、ノースカロライナ州チャペルヒルでリタイア生活に入った。
リタイアしてからは、"引退後のお金の問題"について調べたり、文章を書いたり、ブログ「The Retirement Cafe」を運営してきた。
Business Insiderがリタイア後の想定外の出費について尋ねると、コットンさんは医療費と子どもにかかる費用の2つを挙げた。
医療費の増大が一番の驚きだったと語ったコットンさんだが、もう1つの大きな出費は、子どもが大学を卒業した後にやってきたという。
「2番目に大きな経済的打撃は、近頃の子どもたちはなかなか家を出ていかないということです」と、コットンさんは語った。
「わたしたちにはまだ支援しなければならない、おとなになった子どもたちがいました」
大学卒業後、コットンさんの子どもたちも苦労をしたという。
「キャリアを始めたばかりの他の多くの人たちと同じ問題に、子どもたちも直面していました」とコットンさん。
「次との間があくと、時々実家に戻ってきました」という。
加えて、コットンさんはそもそも子どもたちに大学を卒業させなければならなかった。
「妻とわたしが子どもを持ったのは、大半の人に比べて遅かったのです。大学を卒業してから、13年ほどが経った頃でした」
コットンさんは続けた。「わたしの場合、リタイアした後に3人の子どもを大学にやることになったんです」
このうち1人は修士号を取ろうとメディカルスクールへの進学を決めたため、さらに教育費は膨らんだという。
だが、おとなになった子どもを支援しているのは、コットンさんだけではない。
近年、親が子どもを支援する期間はかなり長くなっている。
ピュー・リサーチ・センターのデータによると、2016年、成人した若者の中で親と一緒に実家で暮らしている人は、1人暮らしをしているまたは友人や恋人と住んでいる人よりも多かった。
"子どもを持つのはもう少し後で"と考えるカップルが増える中、仕事をリタイアした後に子どもを大学に通わせることは、多くの人にとって現実となりつつある。
だが、今、コットンさんの子どもたちは3人のうち2人が結婚、独立している。
「どちらも戻ってくる気配はありません。真ん中の息子は何度か、長期間うちを訪ねてくれましたが、今では専らわたしたちが遊びに行く方です」
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BUSINESS INSIDER JAPANより転載(2019.10.27)