「ニューノーマル」と呼ばれる生活様式が始まって早数カ月。

最初のころはつい忘れて自宅に取りに帰っていたマスクも、最近では無意識レベルでマスクを手にするまでになりました。

コロナ禍で過ごす日々のなかでで変化したことは他にもいくつかありますが、働き方の変化や休校などの影響で生活リズムに変化があった方も多いのでは?

早稲田大学が先日、この自粛期間の生活パターンや体型の変化、その相関性について、興味深い研究結果を発表していました。

目次

1.平日の就寝/起床時間に変化、睡眠時間は全年齢で増加

2. “社会的時差ボケ”が減少傾向

3. 睡眠の質はどう変化したか?

4. 夜型生活にシフトした人は体重が増加

5. 朝型生活、始めてみない?

平日の就寝/起床時間に変化、睡眠時間は全年齢で増加

今回早稲田大学と、食事管理アプリ「あすけん」を提供するasken株式会社の研究グループが、同アプリの利用者3万人を対象に外出自粛中の生活リズムについて調査を実施。

結果、「10-30代の若者を中心に平日の就寝時間が遅くなり、夜型化したこと」が明らかになりました。

下図、平日の自粛前後のグラフを見ると、就寝時刻は約20分、起床時刻は約1時間近くも遅くなっていることが分かります。

Image: WASEDA University 早稲田大学

この夜型化傾向は、働き方の変化や休校の影響が大きかったと言えそうですね。通学時間はもちろん、身じたくなどの時間も減少傾向にあったのかもしれません。

また、同調査では全年齢でトータルの睡眠時間が増加していることも確認されたとのことです。

“社会的時差ボケ”が減少傾向

さらには、若年層を中心に平日の就寝時間・起床時間が休日のパターンに近づいたことで、平日と休日の生活リズムの差(社会的時差ボケ)が減少。

社会的時差ボケとは、平日と休日の生活リズムの差のこと。

特に夜型の若者で顕著に起こり、平日の社会生活(仕事や学校)による早起きと睡眠不足(睡眠負債※4)、休日の夜更かし、朝寝坊による夜型化が原因と考えられます。

(注: 睡眠負債※4の注釈内容は省略)

引用:WASEDA University 早稲田大学

早稲田大学によれば、社会的時差ボケはこれまで肥満や学業の成績低下などと関連性があり、社会的な問題とされてきたとのこと。

今回のこの結果が今後短中長期に渡ってどのような結果をもたらすのか、引き続き注目したいところですね。

Image: WASEDA University 早稲田大学

睡眠の質はどう変化したか?

社会的時差ボケが減少し、睡眠時間が長くなった、というと良いニュースのようにも思えますが、一方で睡眠の質はどうだったのでしょう?

リリース内の発表によると、

睡眠の質が改善したと答えた人は全体の2割程度で、外出自粛による生活リズム改善が睡眠の質の改善には結びついていないことが分かりました。

これは、外出自粛による精神的な苦痛やストレスが影響しているものと考えられます。

引用:WASEDA University 早稲田大学

…うーん、これもこの特殊な状況下では納得の結果のように思います。

筆者の周りでも、「ニュースを追いすぎてしまって就寝時にも不安な気持ちになる」「朝起きてもスッキリしない」と悩んでいた友人が多かった印象です。

ミシガン大学やジョンズ・ホプキンズ大学で睡眠障害を研究する医師たちの警鐘をまとめたTIMEの記事によれば、通常よりも体を動かしたり、日に当たる機会が減少。

不規則な時間に食事をとることで、体内時計、消化機能、また睡眠サイクルに影響を及ぼした可能性があるとのこと。

このパンデミックは、私たちが思う以上に生活の中に入り込んでさまざまな影響を及ぼしていることが分かりますね。

夜型生活にシフトした人は体重が増加

また、今回の早稲田大学の研究では、外出自粛により、朝型生活にシフトした人は体重が減少し、夜型生活にシフトした人は体重が増加したことも明らかになりました。

Image: WASEDA University 早稲田大学

Aのグラフでは、休日の就寝時間が朝型化した人は体重が減少傾向に、夜型化した人が増加傾向にあることが分かります。

またBのグラフを見ると、睡眠の質も体重が減少した人の方がスコアが高く出ていることが分かります。

興味深いのは、体重が増加、減少した人はいずれも睡眠時間が増加し、社会的時差ボケが減少していた(=睡眠時間の長さや社会的時差ボケの解消は体重の増減との関連性が見られなかった)、という点です。

今回の研究成果は、睡眠の長さや社会的時差ボケと体重変化の相関は見られず、体重が増加した人も減った人も睡眠時間が増加し、社会的時差ボケが減少していました。

従って、睡眠不足や社会的時差ボケの解消というよりも、朝型―夜型の変化、それに伴う活動量、間食、睡眠の質の変化が、短期間の体重変化に繋がったと考えました。

引用:WASEDA University 早稲田大学

また、ライフハッカー[日本版]編集部でも外出自粛や新しい生活の中で生活リズムと体型の変化についてTwitterでアンケートを実施。

「朝型になって痩せた」、「夜型になって太った」と回答した方が比較的多く、この研究を想起させる結果となりました。

<ライフハッカーアンケート>

外出自粛や新しい生活の中で、あなたの生活リズムと体型の変化に近いのはどれですか?

まったく変わっていない方もいるのかな❓#LH #ライフハッカーアンケート

参考:早稲田大学の調査発表よりhttps://t.co/gs4U7BMI1j

— ライフハッカー[日本版] (@lifehackerjapan) September 11, 2020

朝型生活、はじめてみない?

睡眠や生活リズムと体重の増加に関してはさまざまな研究が行われていますが、今回の調査では「朝型生活にシフトすることで体重の減少に繋がる」ということが分かりました。

もちろん食事や運動も重要な要素ですが、「体型が気になっている…」という夜型生活の方。

まずは無理のない範囲で朝習慣を始めてみてはいかがでしょうか?

まだジム通いには抵抗がある、という方でも朝習慣や生活リズムの改善は自宅で始められることばかり。

秋晴れの気持ちいいこの季節から一気にシフトチェンジしてみるのも良いタイミングかもしれません。

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Image: WASEDA University 早稲田大学, Shutterstock

Source: WASEDA University 早稲田大学, Twitter, TIME, World Health Organization